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人間が食べられるドッグフードと食べられないドッグフードの分岐点

この記事の目次

犬に人間の食べ物を与えると、よほどの香辛料が使われていない限り、たいていのものは何でもペロっと食べてしまいますよね。
犬も人間も大きなくくりの上では同じ雑食動物です。
なにも不思議なことではありません。
では、発想を逆転するとして、人間はドッグフードを食べても大丈夫なのでしょうか?

食べられるが大量生産品は精神的に無理

とりあえず結論から言ってしまえば、人間はドッグフードを食べることができます。
ドッグフードとは、人間と同じ哺乳類である犬が食べるために作られている食べ物。
石や鉄などが含まれているわけではありませんから、当たり前といえば当たり前のことではありますが……。

ただし、ドッグフードの品質には恐ろしいまでにピンからキリまでの違いがあります。
少なくとも、ホームセンターなどで販売されている大量生産品については、精神的な意味合いも含めて「食べられない」と判断するのが妥当ではないでしょうか。
なぜなら、安価な大量生産品のドッグフードには、いわゆる質の悪い肉類などが使われている可能性があるからです。

  • Dead-死んだ動物の肉
  • Dying-死にかけの動物の肉
  • Diseased-病気だった動物の肉
  • Disabled-障害のあった動物の肉

通称4Dミートと呼ばれる質の悪すぎる肉類(らしきもの)が含まれている粗悪なドッグフードは論外中の論外ですが、たとえそうでなかったとしても、品質の悪さからペットフードにまわされたと思しき肉が含まれているドッグフードを口にするのはやはり抵抗があります。
とはいえ、こういった価格がかなり安いタイプのドッグフードを食べたからといって、即病気になるかといえば、そうとも思えません。
ペットフード安全法が施行された現在、安価なドッグフードであっても最低限の品質はなんとか確保されているのだと信じたいところですが、信じきれないというのが正直なところでしょうか。

ヒューマングレードでも口にするのは勇気がいる

では、ヒューマングレードの食材で作られたドッグフードであればどうでしょうか?
いわゆるプレミアムフードと呼ばれるドッグフードは、その多くが人間が食べられるグレードの食材――ヒューマングレードを採用しています。

人間が食べられるグレードの食材なわけですから、人間が食べてもいい。
理屈だとそうなりますよね。
しかし、実際に海外から輸入されたプレミアムフードをしげしげと眺めてみても、あまり食べたい気持ちにはなれません。

というのも、肉食獣寄りの雑食動物である犬が食べるドッグフードには、肉類や脂質がかなりの割合で含まれているからです。
そういった動物性たんぱく質や脂質が醸し出すニオイは、犬にとっては食欲をそそるものであっても、人間にとってはかなりビミョウ。
実際に肉類の含有量がかなり高いグレインフリーのドッグフードのにおいを嗅いでみても、美味しそうだと感じる人類はそうは多くないと推察されます。
人間にとって肉の美味しそうなニオイとは、基本的には焼けるときの香ばしいニオイのことなのではないでしょうか。
もしくは、生であれば新鮮であることが絶対条件ですよね。
つまり、ドッグフードという加工がされている時点で、人間にとっての「美味しそう」からは遠ざかっているというわけです。

とはいえ、品質の確かさを謳っているプレミアムフードは、安価な大量生産品に比べれば人間が食べるうでの抵抗感は多少なりとも軽減できているはず。
それでもいざ食べてみようと手にとってみると、かなりの抵抗感を感じるのは、人間として正常な反応なのでしょう。

品質にこだわった国産品は食べられる…かも?

かつては低品質の代名詞だった国産のドッグフードも、現在は様変わりしました。
ネット通販の発達により、大手メーカーとはまったくコンセプトの違う、高品質の国産ドッグフードがいくつもお目見えしています。
そういったタイプのドッグフードは、無添加、作り立てというように、原材料の品質に加えて新鮮さや安全性も前面に押し出されています。
こういったタイプのドッグフードの中には、「飼い主さんもぜひ食べてみてください。新鮮さがわかっていただけるはずです」と宣伝しているものも。

実は、こういったタイプの馬肉を使ったドッグフードを実際に食べてみたことがあります。
感想としては、「味をつけ忘れたおつまみ風スナック」という感じであり、口の中が気持ち悪くなることはありませんでした。
それなりの値段がする欧米産のドッグフードと何が違ったのかといえば、ドッグフードの粒に脂っぽさを感じなかったことが大きいでしょうか。
むしろ、カサカサとした感触だったことが、口に入れる抵抗感を軽減してくれたのです。
つまり、脂肪分や油分などが酸化したことによって発生する独特のニオイを感じさせないことが、一番のポイントだったのではないでしょうか。

美味しかったかと聞かれたら特に美味しくなかったと答えることになりますが、口に入れて気持ち悪かったかと聞かれたら、特に気持ち悪くなかったと答えることができます。
人間がドッグフードを食べられるか食べられないかの分岐点は、おそらくこの「抵抗なく口に入れられるかどうか」がカギになるのでしょう。

とはいえ――。
ドッグフードは犬の食べ物であって人間用には作られていません
無理して食べる必要はありませんが、興味のあるかたはぜひ。