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つきささるイタグレ

この記事の目次

イタリアングレイハウンドといえば、贅肉のない筋肉質の引き締まったボディに、口吻(こうふん)の長い細めの顔、細くて長い四肢が特徴の犬です。

我が家のイタグレは、なんといっても隙間が大好き。
抱っこをすれば脇の下に顔を突っ込み、カウチに寝転んでいると股の間に体ごとねじこんできます。
イタグレは体温が高めの犬種ということもあり、冬場は隙間にもぐりこんでこられるとこちらとしても温かくて良いのですが、夏場は本当に勘弁!
平熱が38.度以上あるイタグレにくっつかれると、暑くて汗まみれになるんですよね。

イタグレは総じて隙間が大好きな犬種!?

そんな我が家のイタグレですが、この子はイタリアングレイハウンドのブリーダーから迎えた子です。
昔はドッグショーなどにも出場していたブリーダーさん。
いまはドッグショーは引退して、7匹のイタグレと暮らしています。

そんなブリーダーさんのところに遊びに行ったときのこと。
「うちの子、脇の下とか股の間にもぐりこんでくるんですよね」と話しをしたところ、ブリーダーさんいわく、「うちの子達も全員そうよ」とのこと。
しかも、場合によっては7匹が同時に潜り込んでくるのだとか。
それも無理矢理に。

それはいったいどういうシチュエーション……?と想像をめぐらしていると、ブリーダーさんがワンコ用のオヤツを持ち出してきました。
そして、「見ててね」と言ってビニール袋に入ったワンコオヤツを取り出したところ。
それまでは部屋のいろいろな場所でゴロゴロしていたイタグレ達が、いっせいにブリーダーさんのところに群がってきたのです。
そして、両脇の下に2匹ずつ、イスに腰掛けている股の間からも2匹、出遅れた1匹が背後で隙間を探してウロウロしているではないですか。
見事なまでにブリーダーさんの隙間にイタグレが突き刺さっている姿はまさに壮観!
あの細い顔は隙間に突き刺さるためにあるのではないかと真剣に考えてしまったほどの見事な突き刺さりっぷりでした。

隙間に潜りやすいからこそ注意するべきこと

こんなふうに、イタグレは顔やら足やらを隙間に突き刺してしまう(表現が変?)犬。
だからこそ、気をつけなければいけないことがあります。

それはサークルの形状。
サークルと一口に言ってもいろいろな形状のものがありますが、最もポピュラーなものはいわゆる格子のついた柵のある囲いではないでしょうか。
大きさにも自由度がありますし、お値段的にも手頃。
加えて掃除がしやすいこともあり、犬のいる多くの家庭で柵のあるサークルが使われています。

しかし、イタグレに使用するのはあまりおすすめできません。
と言うのも、イタグレはこの柵の隙間に足を入れてしまうことがあるからなんですね。
するっと抜ければいいですが、引っかかってしまった場合、あわてたイタグレが無理矢理引き抜こうとして、足を骨折してしまうことがあります。

また、イタグレがすくっと立っても大丈夫なぐらいの高さがあるからと油断して天井なしのサークルに入れておくと、なにかの拍子にジャンプして飛び越えてしまうことも。
そして着地に失敗して骨折、という事故がけっこう多いのです。

イタグレを入れるなら柵つきのサークルではなく、ケージのようなタイプが絶対的に安全。
そして、出来る限り床面はフカフカ仕様にしてあげましょう。
イタグレは固い床で伏せをしていると、あっという間にひじの部分にタコができてしまうんですね。
タコまではいかなくても、いつの間にか毛が擦り切れていることもあります。

イタグレを飼うなら必要なコストはかけるべき

ついでに言うと、寒さに弱いイタグレに洋服は必須。
しかも、なかなか市販品ではサイズが合わないため、どうしてもイタグレ専用の洋服を着せる必要があります。
これがホームセンターで販売しているような特売の洋服に比べると、かなり割高。
さらに言えば、暖房も絶対に欠かせません

変に甘やかしたり無駄に贅沢をさせる必要はまったくありませんが、骨折しにくい環境を作ることと、寒さ対策に関してはしっかりとお金をかけるべき――。
それがイタリアングレイハウンドを飼う人間の心得です。