大型犬を飼うことは多くを得て多くを失うこと
大型犬ってかっこいいですよね。
犬好きなら、誰もが一度は大型犬が身近にいる生活に憧れるのではないでしょうか。
大型犬との生活は最高に楽しくて幸せで、しかしときにとんでもなく大変でギブアップしたくなることもあります。
なんにせよ、犬を飼おうと思い立ったとしても、安易に大型犬を選ぶべきではありません。
もちろん、体格がうんと小さな犬であろうと安易に選ぶべきではありませんが、大型犬の場合はなおのこと。
下調べと事前の準備、それからしっかりとした覚悟をもって迎え入れなければ、最悪の結果をまねくこともありえるからです。
大型犬にかかる費用は総じて高額
犬を飼うということは、必ずそのための費用がかかることでもあります。
これはなにも、子犬を購入する代金のことだけを言っているわけではありません。
毎月のドッグフード代、ペットシーツ代、ワクチン接種費用、フィラリア予防薬費用。
こういったものはすべて小型犬の何倍も費用がかかることになります。
首輪やリード、犬用の洋服、オモチャや食器などにしても、大型犬用は小型犬用より高い!
もちろん、サークルやバリケンなども大型犬用は高額です。
もしも病気やケガをした場合にかかる医療費も、体格が大きくなればなるほど料金が高くなりますから、継続して投薬が必要な場合は、毎月かなりの額を覚悟しなければいけません。
相当の労力を覚悟する必要あり
運動不足の大型犬ほど手に負えないものはありません。
だからこそ、運動によるストレス発散は必要不可欠。
毎日の散歩は絶対に欠かせないのです。
それも、10分やそこらをちょこちょこっと歩かせるような散歩ではありません。
30分なり1時間なりを毎日朝晩続けるぐらいの覚悟が必要になるでしょう。
そして老犬になったとき、さらなる覚悟が試されることになります。
もしも大型犬が寝たきりになってしまったら、何十キロもある体を毎日抱き上げたり持ち上げたりしなければいけなくなるんです。
また、歩くときに介助が必要なら、毎日の散歩の際には大型犬の足腰を支えなければいけません。
体重の重い犬の足腰を支えて歩かせるのは、いくらハーネスなどを利用するにしても、相当の労力を必要とします。
しつけられていない大型犬は凶器
犬にシツケやトレーニングが必要なことは常識中の常識ですが、大型犬は小型犬以上にしっかりとしたシツケが求められることになります。
なぜなら、シツケやトレーニング不足であっても、小型犬なら飼い主の腕力でなんとかおさえることも可能でしょう。
しかし、大型犬の場合はどうでしょうか。
もしも不用意に大型犬が誰かにとびつけば、相手は転倒して大怪我を負うかもしれません。
たとえそれが甘えてジャレついた行為だったとしても、シャレでは済まされないのです。
万が一人や動物に噛みついてしまったら、その被害は小型犬の比ではないでしょう。
犬のアゴは硬い骨でも噛み砕けるほどの強い力を秘めています。
大型犬はたやすく人や動物を殺すことができるのだということを、飼い主は忘れるべきではありません。
清潔さにこだわる人に大型犬は向かない
現在、犬の多くは室内で暮らしています。
それは大型犬でも例外ではなく、圧倒的に室内飼育が多くなりました。
もしも室内の清潔さにこだわりたいなら、大型犬は選ばないほうが無難。
これはなにも、大型犬が不潔であると言っているわけではありません。
小型犬1匹でさえ、こまめに掃除をしていても室内に落ちた抜け毛はとりきれないもの。
それが体格の大きな大型犬ならなおのことです。
さらには、大型犬はヨダレの量も鼻水の量も多く、窓には鼻水のせいで白っぽい汚れがつくことになるでしょう。
粗相をすればオシッコ1回で床はビショビショになりますし、お腹の調子を崩して大量の下痢をもらしてしまうことだってありえます。
もちろん、快便であろうと1回の便の量は人間の成人なみ。
ドッグフードを食べている場合は、人間の成人より大きくて立派な便を毎日数回することになります。
犬用のトイレで排泄したとしても、無臭というわけにはいきません。
覚悟ができていれば大型犬との生活は最高に楽しい
大型犬と暮らすことは、お金であったり時間的な余裕であったりと、何かしらを失うことでもあります。
そして、大型犬の多くは小型犬よりも長生きをしてくれません。
動物医療のおかげで15年以上を生きる大型犬も増えてはきましたが、それでもやはり多くの大型犬が10歳前後で天寿を全うしていくのです。
しかし、そういったことをすべて踏まえたうえで大型犬との暮らしを選択したのであれば、最高に楽しい犬のいる生活を手に入れることができるのではないでしょうか。
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