MENU

犬は仮病を使える賢い生き物です

この記事の目次

犬は仮病をつかう生き物です。
犬と暮らしている人なら、なにがしか思いあたることがあるのではないでしょうか。
反対に、犬を一度も飼ったことがない人には、なかなかぴんとこないかもしれません。

さて、そんな犬の仮病ですが、どうやら人間の仮病とは動機が少々違っているようです。

あれ、痛いのはそっちの足じゃなかったはずでは・・・?

たとえば、足元にまとわりついてきた愛犬の足を踏んづけてしまい、キャン!と悲鳴があがったとします。
こんなとき、愛犬がさも痛そうに足を引きずったら、怪我をさせてしまったのではないかと心配になりますよね。
ひょっとして、骨が折れてしまったのだろうか。
そう考えるだけで、飼い主としては心配でたまらなくなるものです。

病院が開いている時間であれば、今すぐにでも犬を抱いてすっ飛んで行きたい。
ところがそういうときに限って、夜間の診療時間外だったりするんです。
どうしよう、どこかに救急病院はあるだろうか……。
必死になってインターネットで検索しているさなか、ふと見れば愛犬が普通に歩いていたりします。

あれ?と思ってじっと見つめていると、そんな飼い主の視線に気づいた犬。
「あ、いけね」とばかりに再び足を引きずりだしたりするんですよね。
しかも、踏んでいないほうの足を。

……もしかして、仮病?

まさかと思いつつオヤツの袋を取り出したとたん、それまで足を痛そうにしていたはずの犬が猛ダッシュで駆け寄ってきたりします。
そう、これぞまさしく仮病だったわけですね

もしかしたら、踏まれたその瞬間は少しばかり痛かったのかもしれません。
もしくは、踏まれたという事実そのものにびっくりしてしまい、たいして痛くもなかったのに、つい悲鳴をあげてしまったのかも。
しかし、そのあとに心配した飼い主がちやほやしてくれるものだから、「あれ?足を引きずると優しくしてもらえる?」と気づいてしまったわけですね。
要するに、具合が悪いふりをするといいことがある、という図式が犬の中で出来上がってしまったのでしょう。

かまってほしい?それともワガママを通したい?

そんなふうに、犬が仮病を使う理由のほとんどは、飼い主にかまってもらい気持ちが土台となっているようです。

人間の仮病は何かしたくないことを回避するための手段であることが圧倒的。
それに比べると、犬の仮病は微笑ましいと言えなくもありません。
まあ、ワガママを通そうとするときにも犬はあざとく仮病を使いますので、そのあたりの見極めは必要なのですが。

そんな犬の仮病ですが、何人かの飼い主さんにお話を聞いてみたところ、様々なバリエーションがあるようです。

寝床で顔を隠してうずくまったまま呼んでもこないのに、オモチャの笛がピーと鳴ったとたんに勢いよく飛び出してきた。

ご飯を食べようとしないのに、大好物のオヤツを出したとたんにはしゃぎまわって、早くちょうだいの催促攻撃が始まった。

こういった犬の仮病は、犬が知能の高い生き物だという証明ともいえるのではないでしょうか。
そしてだからこそ、飼い主は犬の思惑通りに振り回されてはいけないんです。
微笑ましい程度の仮病は良いと思いますが、行き過ぎれば正しい主従関係が崩れてしまうかもしれません。

仮病なのか、本当に具合が悪いのか

とは言え、具合の悪い素振りのすべてが仮病とは限りません。
本当に具合が悪いのに仮病だと飼い主が決めつけて放置した結果、手遅れになってしまった……。
そういう事態だけは、なんとしても避けたいところです。

だからこそ、「これは仮病かな?」と思う場面であろうと、一度は必ず仮病なのか本当なのかを確認してください。
オモチャ遊びが大好きな子であれば、ピーピー笛のなるボールで音をさせてみましょう。
もしもいつも通りにすっ飛んできたら、仮病である確率がかなり高いと判断できます。
「お散歩にいく?」というキーワードに反応する子だったら、仮病の場合はリードを持ち出しただけで、おそらく嬉しさを隠すことはできないでしょう。
同様に「オヤツ」というキーワードで試してみるのも仮病を見抜く良い方法です。
そういうキーワードにいつも通り反応するようなら、さっきまでの具合の悪い素振りは仮病だったに違いありません。

気になる場合は仮病に思えても念のため病院で診てもらったほうが安心

誰も見ていないところでも足を引きずっているような場合は、やはり何がしかの不調を疑ったほうがよさそうです。
また、普段なら一も二もなく飛びついてくるオヤツを食べようとしない場合も、要注意。
仮に仮病のような気がしても、何か気にかかることがある場合は、かかりつけの動物病院で診察してもらうことをためらわないでください。

仮に空振りだったとしてもいいじゃないですか。
放置した結果、病気を悪化させてしまったら後悔しか残りません。