お留守番の必殺アイテム――アイスコング

コングというゴム製のオモチャは、1976年にアメリカで生まれました。
鏡餅を三段重ねにしたようなフォルムで中は空洞という、なんとも不思議な形状をしています。
犬を飼っている人なら、ほとんどのかたがペット用品売り場で目にしたことがあるのではないでしょうか。
そのぐらい、ペット用品を扱っているお店なら、どこででも販売されているメジャーな犬用のオモチャです。

さてこのコング。
犬を遊ばせようと思って購入したにもかかわらず、いつの間にかお蔵入りになっているお家が少なくありません。
その理由は、肝心の犬があまり興味を示してくれないから。
しかしコングは活用の仕方次第で、留守番の多い家庭の強い味方になってくれる、とても役に立つオモチャなんです。

コングは空洞部分を活用してこそ威力を発揮するオモチャ

コングは天然ゴム100%でできています。
そのため、放り投げるとボールのように弾むのですが、形状のせいでバウンドは不規則。
つまり、ボールを持ってくることが大好きな子にとっては、どこに跳ねるかわからない魅力的なオモチャです。
夢中になって追いかけること間違いなしですが、ボール遊びをあまり好まない犬の場合、ほとんど興味を示してくれません
天然ゴムのにおいも、犬によっては避けようとする一因になっているようです。

さて、そんなコングですが、放り投げて遊ばせる方法には絶対に外せない要件が。
それは、飼い主が放り投げなければいけない、という点です。
何を当たり前のことを……と思われるかもしれません。
しかし、飼い主が放り投げてやるのであれば、普通のボールでもいいわけですよね。
それに、ボール遊びにそれほど興味を示さない犬の場合は、そもそもがあまり役に立たないオモチャということになってしまいます。
つまり、コングを活用するポイントは、ボール代わりとしての使い方ではありません

小型犬から大型犬まで、すべての犬をコングの虜(とりこ)にするために利用すべき部分。
それは、コングの空洞です。
ここを使わずして、コングの持つ真のポテンシャルは発揮されません。

中にオヤツを詰めても数分しか持たない?

コングは犬用のオモチャ。
しかし、真の威力はオヤツやフードを詰めたときにこそ発揮されます。
つまり、オモチャでありながら容器として使う時なんですね。

そもそもコングの中が空洞になっているのは、オヤツやフードを入れるため。
とは言え、これはよく知られている使い方です。

ところが実際に試した飼い主さんの多くが、「中にフードを詰めても、あっという間に食べてしまうので5分も持たない」と不満を口にしています。
確かに、コングの中にドライフードなどを詰めて犬に与えても、思いのほか簡単に中身が出てしまい、ほんの数分で食べつくしてしまうことも。
せっかくお留守番を誤魔化そうとフード入りで与えたのに、玄関を出たとたんに家の中からキャンキャン吠える声が聞こえてきた……。
これでは、役に立たないオモチャとレッテルを貼られても仕方がありません。

では、どうすればコングを長持ちするオモチャに変身させられるでしょうか。
それは、中に詰めたオヤツやフードがそう簡単には食べられない状態にしてしまえばいいのです。

長持ちさせるためにコングごと凍らせる

結論から言ってしまえば、中にフードやオヤツを詰めた状態で、コングを凍らせてしまうのがベスト。
これなら、そう簡単に中身を食べることができなくなり、持続時間がぐんと伸びることは間違いありません。

コングを凍らせて大丈夫なの?体に害はないの?と心配になる飼い主さんもいらっしゃることでしょう。
でも大丈夫です。
実は、コングの公式ホームページでも、凍らせて使う方法が掲載されているんですね。
フードをただ詰めただけでは3~5分で中身を食べきってしまった犬も、凍らせた状態にすることで、食べきるまでに30分~60分程度の時間を要することになります。

そして、この30分~60分という時間が重要。
というのも、犬がお留守番をするにあたり、飼い主がいなくなった直後から15分ぐらいまでが、犬の不安がピークになる時間帯だからです。
留守番初期に不安感が強くなると、精神的なストレスが増幅してどんどん不安を募らせていくことに。
その結果、いつまでも吠え続けてしまったり、暴れて室内を破壊するといった行動につながりやすくなるのです。

だからこそ、不安がピークに達する0~15分という時間帯に、何か夢中になれるものがあれば、その後の時間も落ち着いたものにできる可能性が高くなるのです。
そのためのツールとして、オヤツやフードを詰めて凍らせたコングは威力を発揮してくれることでしょう。

アイスコングの作り方

アイスコングの中に詰めるものは、ドライフードでもウェットフードでもかまいません。
もちろん手作りご飯やゆでたササミでもいいですし、市販のオヤツでもOKです。

ポイントは、中に詰めたものの隙間を埋めて固めるための液体状のもの
それから、しっかり蓋をすることの2点でしょうか。

一例として、簡単なレシピを紹介します。

準備するもの
  • コング
  • コングを立てた状態で入れられるカップ
  • いつも食べさせているドライフード
  • 無糖のヨーグルト
  • 犬用のビスケット
作り方
  1. ビスケットを細かく砕き、少量の水を加えて硬めの粘土状にする。
  2. 粘土状にしたビスケットでコングの小さいほうの穴をしっかりと塞ぐ。
  3. ドライフードをコングに入れる。(詰め過ぎないように注意)
  4. ヨーグルトを大きいほうの穴の口スレスレまで注ぎ込む。
  5. 蓋をした小さいほうの口を下にして、カップに立てたら冷凍庫に入れて凍らせる。
  6. 時間に余裕がある場合は、1時間ほどしたところで沈んだ分のヨーグルトをつぎ足す。
  7. 完全に凍ったら出来上がり。

ポイントは、小さいほうの穴をふさぐビスケットをしっかりと詰めることです。
これが甘いと液体が漏れ出てしまうので注意してください。

また、注ぐ液体がサラサラしすぎていると、塞いだ穴から漏れやすくなるため、出来るだけこってりとしたものがベスト。
ヨーグルトなら液体ヨーグルトより、ギリシャヨーグルトのように硬めのもの、と言えばわかりやすいでしょうか。

とは言え、カロリーの問題や食物アレルギーなどで乳製品を使いたくないこともありますよね。
そんなときは肉のゆで汁にトロミをつけるなどして、なるべく漏れ出しにくい液体を作ることが成功のカギとなります。

アイスコングは便利、でもカロリーオーバーに注意

ほとんどの犬はアイスコングに夢中。
30分から60分という持続時間中、ひたすらかじり続けたあとは、くたびれて寝てしまうことも珍しくありません。

このようにとても便利なアイスコングですが、気をつけなければいけないことがあります。
それはカロリーオーバー
肥満に一直線などという事態を起こさないよう、コングの中に詰めるものの種類を考え、さらには朝晩のフードの量やカロリーを調節することが大切です。

また、溶け出したアイスコングの中身で床などがベタベタに汚れてしまうことも想定しておきましょう。
このあたりを工夫して使えば、お留守番の必殺アイテムになること間違いなしです。