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引っ張り癖があるからハーネスを使う、は間違い

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犬が飼い主の一歩後ろぐらいにぴたりと付き、ゆったりと歩く姿――、憧れますよね。

ところが自分の愛犬はといえば、
リードも首輪もちぎれんばかりにグイグイと引っ張る、まるで馬車馬のような状態。

まあ、リーダーウォーク(飼い主の横に付き従い、飼い主の歩行速度にあわせて歩くこと)
をまともに教えていないのだとしたら、そうなるのは当たり前のことですが……。

ついつい、理想的な姿の飼い主と犬を見かけると、
手っ取り早く自分もああなりたい、などと考えていませんか?

散歩は力比べの場?

トレーニングをしていなくても、
あまりリードを引っ張ることのない、落ち着いた散歩ができる犬もいます。

しかし、たいがいの場合はリーダーウォークを徹底して教えなければ、
飼い主より前を歩こうとしてしまうもの
なのです。

それが小型犬だったらとりあえずは犬との力比べにも勝利できますが、
相手が中型犬や大型犬になると、かなりの体力を必要とすることになります。

成人男性なら強引に力でおさえられたとしても、女性や子どもでは難しいこともあり、
ときには犬が引っ張ったことで転倒してしまい、怪我をすることだってあるでしょう。

犬の体格や体力によっては、それなりに屈強な成人男性ですら引きずられることも珍しくありません。
そのように、犬と格闘するような散歩は、していて楽しいのでしょうか?

犬の散歩をトイレタイムにしてはいけない

楽しくないけれど、散歩に連れ出してオシッコとウンチをさせなければいけないから――。
そんな感覚でいるとしたら、犬との散歩はいつまでたっても力比べから抜け出すことはできないでしょう。

犬の散歩は、犬のトイレの時間ではないのです。
道路や公園は公共の場所であり、犬のトイレではありません。

犬の散歩は犬にとって適度な運動の場であり、
また精神的にも良い刺激を受けることでストレスを発散するための時間。

そして、信頼のおける良いリーダーのもとで散歩をすることが、
犬にとってはなによりも幸せな時間になるわけです。

しかし、グイグイと引っ張る犬を必死になっておさえているような精神状態では、
犬の精神状態も安定からは程遠い散歩となってしまうことでしょう。

もちろん、飼い主にとっても肩の関節が脱臼しそうな散歩では、
リラックスして散歩を楽しむどころではありませんよね。

ハーネスを安易に使用しない

あまりにも犬がグイグイと引っ張るものだから、
その力に対抗するためにハーネスをつけて散歩をさせている飼い主さんを見かけることがあります。

たしかに首輪とリードをつないだ場合、犬がリードを引き、
飼い主がそれに対抗してリードを引き戻せば戻すほど、
犬の首の一点に負担がかかってしまうことになるでしょう。
それを避けるためにハーネスを使いたいのかもしれません。

確かにハーネスは首輪と違って力のかかる部分が分散する分、
犬の体には負担が少なくて済みますが、
同時に 飼い主がリードを介して伝えようとする意志までもが分散してしまいます。

その結果犬には何も伝わらず、
首輪をしていたとき以上にグイグイと引っ張ることになるでしょう。

ハーネスは正しくリーダーウォークができる犬が装着してこそ、その効果が最大限に発揮できるのです。

引っ張るからハーネス……。
これではいつまでたっても力比べの散歩を卒業することはできません。