ボーダーコリーは能力を引き出してこその犬
ボーダーコリーは犬の知能テストで第一位を獲得したとても頭の良い犬です。
知能テストだけで犬の賢さのすべてを測ることはできませんが、
牧羊犬としての働き振りを見ていると、
ボーダーコリーがすさまじい理解力を持った犬であることに疑いの余地はありません。
恐ろしいまでの理解力と、信じられないほどの身体能力――。
その両方を兼ね備えた犬だからこそ、中途半端な飼い主のもとへ行けば
ボーダーコリーにとってそれは不幸でしかありません。
賢いからこそ見抜かれてしまう
実に短絡的な飼い主に限って、理解力の高い犬を選ぼうとします。
頭のいい犬を選べば、ろくなシツケやトレーニングをしなくても
「おりこうさんの犬」になるはずだと目論んでいるからなのでしょう。
しかし、そんな感覚でボーダーコリーを選べば、
間違いなく飼い主の底の浅さを見抜いてしまうことになります。
それはつまり、制御のきかない犬を生み出してしまうことでもあるのです。
ボーダーコリーが必要としているのは、きちんとしたコマンド(命令)をだすことで
自分の能力を引き出してくれるリーダーです。
その覚悟を持たずにボーダーコリーを選んだ飼い主は、
まず間違いなく暴走するボーダーコリーを持て余すことになるでしょう。
ボーダーコリーは「見る」犬
ボーダーコリーが牧羊犬として活躍していることはよく知られていることですが、
羊や牛、山羊などの家畜を誘導する際に、
犬種によってやり方に違いがあることはあまり知られていません。
ボーダーコリーの場合はまず目で家畜たちを威嚇し、
それから誘導をかけていくのです。
つまり、ボーダーコリーは相手をしっかりと見据えて
物事を判断しようとする性質があるのです。
これはつまり、飼い主ともアイコンタクトがしっかりとれるということでもあり、
逆を言えばアイコンタクトがきちんとできない飼い主は
ボーダーコリーを混乱させることになりかねません。
また、ボーダーコリーは羊などを誘導する際に、
時には必要に応じて脚を噛んだりすることがあります。
もちろん怪我をさせるような噛み方ではありませんが、
こういった性質を理解しないでいい加減なシツケをしてしまうと、
噛み癖のある犬だという誤解を受けてしまうことがあるのです。
本気で取り組んだら最強の犬
ボーダーコリーを飼うと決めたのであれば、あのずば抜けた理解力と、
素晴らしい身体能力を本気で引き出してやる気構えを持つべきです。
飼い主が本気で取り組んだことに対し、ボーダーコリーは
信じられないほどの訓練性能を見せることになるでしょう。
フィールドで体をしっかりと動かすだけでなく、
知力も満足させられるような接し方をした時、
ボーダーコリーは想像以上の成果を見せてくれる犬なのです。
関連記事
-
あなたは犬の飼い主?それともお世話係?
――うちの子、私がポテトチップを食べようと思って袋を取り出すと、音を聞きつけて自分にもくれって騒ぐんです。でもポテトチップをあげるわけにもいかないから、仕方なく犬
-
訓練性能の良し悪しと、頭の良い悪いはイコールではない
頭の良い犬と聞いて、どんな種類の犬を思い浮かべますか? 警察犬や軍用犬のイメージなら、ジャーマン・シェパードやドーベルマン・ピンシャー、盲導犬だとラブラドール・レ
-
本当にできていますか?犬との正しい主従関係
犬は群れを作って生きる動物です。寂しいのは苦手ですし、基本的にかなりの甘えん坊なのは、犬と暮らせばすぐにわかりますよね。そんな犬が最も幸せに生きられるのは、頼れ