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愛犬の遺骨をダイヤモンドに

この記事の目次

愛犬の遺骨からダイヤモンドが作れるのをご存知ですか?
遺骨をおさめたロケットにダイヤモンドが装飾として付いているのではなく、遺骨そのものをダイヤモンドへと加工するのです。

遺骨から本物のダイヤモンドを作ることができる

天然のダイヤモンドは、地中深くで炭素(C/カーボン)が高温と高圧にさらされた結果生み出されるもの。
実際にはそこまで単純な生成過程なわけではなくて、ダイヤモンドになりうる元の物質が長い年月をかけて地表に上がってくる段階で黒鉛となり、火山の噴火によってマグマとともに一気に地表付近へ押し上げられることでダイヤモンドが生まれるのです。

まあ、細かい理屈はともかく、遺骨から作るダイヤモンドは天然ダイヤモンドが生成される過程を再現すべく、工業的に高温と高圧をかけることで、遺骨に含まれている炭素をダイヤモンドに生成するわけですね。
つまり、人工的に作り出されているだけで、理屈からいえば天然のダイヤモンドと同じです。
もちろん、硬度や輝きなども天然のダイヤモンドと同じであり、素人が見分けることはまず不可能でしょう。
なぜなら、人工的に作られているだけで遺骨ダイヤモンドは本当にダイヤモンドだからです。

愛犬の遺骨をダイヤモンドにする過程

理論として愛犬の遺骨をダイヤモンドに生成する方法がわかったからといって、誰でも簡単にできるわけではありません。
天然のダイヤモンドと遜色のない宝飾品レベルの品質を作り上げることできるのは、高度な技術を持っているメーカーのみです。
現在、取り扱いメーカーはいくつかありますが、製造過程に関してはほぼ同じです。

  1. 愛犬の遺骨にダイヤモンド化できるだけの炭素が含まれているか、成分量を確認する。
  2. 高温処理によって愛犬の遺骨から炭素を抽出する。
  3. 高温と高圧処理によって抽出した炭素を黒鉛化させる。
  4. 黒鉛をダイヤモンドに生成する。
  5. 愛犬の遺骨から作ったダイヤモンドの原石をカッティングによって宝石化させる。
  6. 鑑定書、保証書などを発行する。
  7. 必要に応じてジュエリー加工をする。

もしかして、自宅でもなんとかできないだろうか・・・。
と思われたかたもいらっしゃるかもしれませんが、できません。

なぜなら生成に必要な高温とは1300度以上であり、高圧とは5万気圧以上だからです。
家庭で再現できるものではありません。

遺骨から作ったダイヤモンドの色

旅立ってしまった愛犬といつでも一緒にいたい。
そんな飼い主の願いを叶えるうえで、遺骨ダイヤモンドは魅力的な選択ではないでしょうか。

現在、遺骨から作るダイヤモンドにはカラーバリエーションがあります。
愛犬の遺骨からダイヤモンドを生成する場合、カラー処理をしなければおおむね「黄色」「青色」「無色透明」のどれかになることが多いのだとか。

黄色は空気中に含まれている窒素による影響で、窒素の量が多いとオレンジ色に近くなります。
その窒素を抜くと無色透明のダイヤモンドが出来上がるんですね。

では青色になる要因は何かといえば、遺骨に含まれている微量のホウ素によるものです。
ホウ素の含有量は個体によって差があるため、透明に近いブルーから濃いブルーまで様々な青色があるのです。
もしも、最初から濃いブルーのダイヤモンドにしたい場合は、製造過程でホウ素を追加することによって希望の色味を作り出してもらうことも。

もちろん、天然のダイヤモンドと同様に、カラートリートメントによって赤や緑のダイヤモンドを作ることも可能です。
ただし、メーカーによってオーダーを受けられる色には違いがあるため、希望の色がはっきりしている場合は、対応できるメーカーなのかどうかを確認しなければなりません。

遺骨ダイヤモンドを作るための費用

遺骨ダイヤモンドは実に魅力的な選択ですが、やはりといういか、想像通りというか、費用は安いものではありません。
価格は天然のダイヤモンドと同じように大きさ(カラット)によって違いがあり、さらには特殊な製造過程にかかる費用が含まれる分、同じ大きさと品質の天然ダイヤモンドよりは価格が高くなります。
メーカーによって多少の差はありますが、おおむねダイヤモンドの大きさは0.1カラットから1.5カラット程度まで。
そして価格は20万前後から250万前後までとかなりの開きがあります。

また色によっても価格には差があり、一番費用が安いのは黄色。
反対に高いのは無色透明や濃い青でしょうか。
意外にも赤や緑といったカラートリートメントダイヤは透明や青よりは価格が少しだけ安くすむようです。
でも、この価格の差は遺骨ダイヤモンドに限った話しではなく、天然のダイヤモンドにおいてもおおむね同じなんですよね。

愛犬の遺骨に充分な炭素の量がなくてもダイヤモンドは作れる

愛犬の遺骨がもともと少ない。
もしくは、遺骨に含まれている炭素の量が少ない。
それでも、ダイヤモンドを作ることは可能です。

この場合は炭素の量を補うために愛犬の被毛を加えたり、それらがない場合には飼い主さんの毛髪や同居犬の被毛を使うという方法もあります。
実は、遺骨より毛髪や被毛のほうが炭素の含有量はずっと多いんですよね。

もしかしたら、愛犬の遺骨と自分の毛髪を使ったほうが、より思いのこもったダイヤモンドが作れるのかもしれません。

何に価値を置くのかは飼い主さんの自由

世の中には、自分の価値観が最も正しいと信じている人が大勢います。
そういう人達は、「高い金を払って犬の遺骨をダイヤモンドにするなんてナンセンスだ!」などと平気で無神経なことを言ったりするんですよね。

でも、気にする必要はありません。
無神経なことを平気で口にする人達は、とてもくだらないことに大枚をはたいていたりします。

何に価値を置くのかは飼い主さんの自由。
愛犬の遺骨をダイヤモンドにして身につけるなんて、最高に素敵な選択ではないでしょうか。