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犬のうつ病

この記事の目次

犬は、本来群れの中で生きる動物です。
そして、その群れとはなにも構成メンバーのすべてが、犬というわけではありません。

飼い主家族のお父さんが群れのリーダーで、サブリーダーはお母さん、その次がお兄ちゃんで、犬はその下あたり、なぜか猫もいる……。
これも犬にとっては一つの立派な「群れ」です。

ところが現代においては、孤独な犬がたくさんいます
それはなにも飼い主が一人暮らしだから、というわけではありません。
何人家族がいても孤独にさいなまれている犬がたくさんいるのです。

そして、そんな犬たちがうつ病を患っていることをご存知ですか?

犬がうつ病にかかりやすい環境とは?

犬がうつ病にかかりやすい環境とは、次の通りです。

  1. 年がら年中、長時間の留守番をさせられている。
  2. 飼い主がストレスの塊で、いつもイライラしている。
  3. 家族の間にまともなコミュニケーションが成り立っていないため、冷たい雰囲気または険悪な雰囲気が漂っている。

1~3のどれかにあてはまる場合、あなたの愛犬はうつ病にかかる可能性があります。
もしかしたら、1~3のすべてに当てはまってしまう家庭だってあるかもしれません。
そんな環境にいたら、犬だろうが人だろうが、どうやったって幸せな気持ちになんてなれませんよね。
ましてや、本来は寂しがりやが性分の犬にしてみたら、人が感じている以上に辛く苦しい環境なのではないでしょうか。

こんな行動をしていませんか?

犬も、ある日突然うつ病を発症するわけではありません。
その前段階として、強いストレスを受けているサインを出しているはずなのです。

  • いつの間にか、いつもつまらなそうな顔をするようになった。
  • 以前は素直に従っていたコマンドに従わなくなった。
  • ちょっとしたことで吠え声をたてるようになった。
  • 以前に比べて落ち着きがなくなった。
  • 以前はしなかったイタズラをするようになった。
  • 気がつくと、同じところをグルグル周っていたり、自分のシッポを追いかけるようになった。
  • 気がつくと、前足や後ろ足のどれか、または体の一部をしつこくしゃぶったりなめたりするようになった。
  • 以前はトイレが完璧だったのに、最近は失敗するようになった。

始まりは、ほんのちょっとした異変からなのかもしれません。
しかしそれを放置してしまうと、ストレスでは済まされない、深刻な状況に陥るかもしれないのです。

うつ病の症状

現代人は時間に追われ、様々なストレスにさらされています。
しかし、それを言い訳にして愛犬の異変に気づかなかったり、気づいているのに見ないふりをしているうちに、事態はどんどん悪化するかもしれません。

  • 手足や体をなめたりしゃぶったりするのがエスカレートし、自傷行為にまで発展するようになった。(噛みすぎて流血したり、皮膚がただれている)
  • 長時間遠吠えをするようになった。
  • 大好きだった散歩を嫌がるようになった。
  • 食欲がなくなり、食べても嘔吐するようになった。
  • 頻繁に下痢をするようになった。
  • 狭いスペースに体を押し込み、なかなか出てこなくなった。

症状はいろいろですが、共通するのは犬らしい活力を失い、無気力になっていくことです。
こんな姿にするために、犬を飼ったわけではありませんよね?

犬は寂しがりやだということを、飼い主が正しく自覚する

たとえ飼い主が一人暮らしだとしても、元気でハツラツとした犬はたくさんいます。
それはつまり、飼い主が一人暮らしをしているために留守番をさせられることが、イコール犬をうつ病にしてしまうことではない、ということです。
たとえ長時間の留守番を強いられたとしても、帰宅後に飼い主と正しく触れ合うことができたら、犬の気持ちをうつ病になるほど追い詰めてしまうことはないのでしょう。

なかなか散歩に連れ出してやることができなくても、コンビニにお弁当を買いに行くほんの5分10分、一緒に外へ連れ出してあげる。
それだけでも犬はたくさんの良い刺激を受けることができるのです。

なにも四六時中べったりと、犬のそばにいなければいけないわけではありません。
犬と飼い主の良い関係は、放置せず、しかしベッタリし過ぎもせず、が一番です。

犬は飼い主を選ぶことができません。
犬を孤独という恐怖から守ってあげられるのは、飼い主だけなのです。