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肝機能障害の犬の食事に四苦八苦

この記事の目次

我が家で暮らす4匹の犬。
その中のイタリアングレイハウンドは、現在肝機能障害の治療中です。
毎日朝晩5種類の薬を服用し、さらには肝細胞の再生を促すために、食事の内容には気を付けなければいけません。

ところが肝機能障害になると、ものすごく食欲が失われてしまいます。
そのせいで、食べてほしいものに限ってまったく食べてくれなくなってしまうんですね。
ものすごく食に執着するタイプの犬――たとえばビーグルやシュナウザーなどは肝機能障害でもけっこう普通に食べることもあるそうですが、その点イタグレはなかなかに厄介。
もともと頑固なところのあるイタグレですが、肝臓の数値が上がってからというもの、おそろしいまでの偏食犬になってしまいました。

肝臓の療法食を食べてほしいのに…

肝機能障害の治療をするにあたり、最も主食にしてほしいのは肝臓用の療法食。
ドライにしろ缶詰めにしろ、どちらも肝臓に負担をかけにくく作られています。
肝細胞の再生を促すには、どう考えても最適の食べ物なんですよね。

ところが我が家のイタグレさんは、ドライも缶詰めも、どちらも口をつけようとしません。
初日はほんの少しだけ食べましたが、翌日からはプイっと横を向いたっきり、意地でも食べようとはしないのです。
メーカーを変えれば食べるかもしれないと、手に入るありとあらゆる肝臓用の療法食を取り寄せてみました。
ところが、ことごとく玉砕・・・。

その道のプロが、犬の肝臓のことを考えに考えて作られているであろう肝臓用の療法食。
しかし、断固として食べてくれない以上、何か方法を考えるしかありません。

犬なのに動物性タンパク質を断固拒否

こうなったら、手作りでもなんでもやったるわい!
そんな覚悟で肝臓に負担をかけない食材をあれこれ調達し、片っ端から試してみることに。

とにかく傷ついた肝細胞を再生させるために、それなりのタンパク質は必要。
しかし脂肪が多いと肝臓に負担をかけることになるため、とにかく質の良いタンパク質で低脂肪、なおかつ消化に良さそうな食べ物を用意しました。
生の鹿肉、生の馬肉、ヨーグルト、無塩チーズ、茹でた鶏の胸肉、茹でた鶏のレバーとハツ、などなど・・・。
こういったものを療法食にトッピングしたのですが、いっさい食べようとはしません。
療法食が嫌なのかと思い、トッピングのみでお皿に入れてもやっぱり食べない。

ではまったく食欲がないのかと思いきや、お腹がすいたと要求してくるのです。
いったいどうすればいいのか、正直途方にくれてしまいました。

肝機能障害のイタグレが喜んで食べたもの

とにかく、何かを自発的に食べてもらいたい。
それによって食欲のスイッチを入れたい。
そんな思いであれこれ試した結果、肝機能障害のイタグレが喜んで自分から食べたものといえば――

  • やきいも
  • 茹でたニンジン
  • 茹でた大根
  • 茹でたカボチャ
  • リンゴ
  • バナナ
  • 焼きのり

・・・なにこれ、草食動物?
イタグレって犬じゃなかったけ?
と本気で首をかしげたくなるほど、植物性の食べ物ばかりを好んで食べるのです。

しかし、肝細胞を再生させるためには、消化しやすいタンパク質が絶対的に必要なはず。
ちなみにお豆腐は口に入れたものの、ぺっと吐き出してしまうありさま。
飼い主として、どうすればいいのかわからず、本気で泣きそうになりました。

覚悟を決めて強制給餌に切り替え

本当は自発的に食べてほしい。
しかし、どうしても自分から食べようとしない以上、強制給餌を選択するしかありません。
そこで、肝臓の療法食をドロドロにしたものをシリンジに詰めて強制給餌。
ところがイタグレは、断固拒否とばかりに頭を振りまくってシリンジが口に挿入されるのを拒みます。
おかげで私もイタグレも、ついでに他の犬たちもみんなドロドロの療法食まみれ。
まあ、シュナウザー2匹は大喜びで飛び散った療法食をベロベロなめまくっていましたが。

どうすればいいか悩みに悩み、強制給餌は無理なのかとあきらめかけましたが、そのときふとひらめきました。
強制給餌というと、なんとなくドロドロにした流動食をシリンジで流し込むイメージでいましたが、別に流動食でなくても体に入ればいいのでは?
そこで、今度は粉タイプの肝臓用療法食を少量の水でねって小指の先ぐらいの大きさの団子状にまるめ、薬を飲ませる要領でのどの奥に放り込んでみたのです。

すると、ゴクン。
なんと、薬と同様に飲み込んでしまいました。
これならイケル!
というわけで、ここ最近は毎朝一日分のお団子をせっせとまるめる日々が続いています。

自発的に食べてくれる日が来ると信じてがんばるのみ

肝機能障害の犬は、一度にたくさん食べさせてしまうと、肝臓や胆管に負担がかかってしまって症状を悪化させてしまうかもしれません。
つまり、少量をこまめに食べさせるのが一番安全なんですね。

その点、お団子は実に量の調整が簡単。
現在はだいたい2時間から3時間おきにお団子を4つぐらい、のどの奥に放り込んでいるでしょうか。(もちろん、1個ずつですよ!)
幸い嘔吐する気配はありません。
どうやら体の負担にはなっていないようです。

そして、きちんと肝臓用の療法食が体に入るようになったおかげか、あきらかに元気がでてきました。
まだまだ絶好調とまではいかないものの、一時は「もう寿命なんだろうか」と思うほど弱ってしまったイタグレ。
この調子で少しずつ体が回復し、また自分から肉類を食べてくれる日が来ることを信じて、今日も明日も明後日も、せっせとお団子を作り続けます。