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愛犬の遺骨を保管するときに注意すること

この記事の目次

大切な愛犬が天寿を全うした――。
火葬のあと戻ってきた遺骨をどうするのかは飼い主さんの判断にゆだねられています。
ペット霊園などに納骨することもあれば、自宅の庭にお墓を作ることもあるでしょう。

しかし、気持ちの整理がつくまでは手元に置いておきたい飼い主さんも少なくありません。
仏壇や祭壇などを用意して、そこに骨壷をおさめているお家もあります。

大切な愛犬の遺骨をどうするのか、焦って決める必要はありません。
しかし、自宅に保管する際には、保管方法に気をつけないとまさかの事態に陥ることがあります。

まさかの遺骨にカビが!?

遺骨は1000度近い高温で焼かれているため、そう簡単にカビが生えるものではありません。
しかし、条件が揃えばカビは生えてしまうものなんです。

遺骨は焼かれることでかなり乾燥した状態。
つまりは置き場所や骨壷の状態によっては吸湿しやすく、その水分が原因となってカビが生えてしまうことがあるのです。

もちろん、カビが生える可能性があるのは遺骨そのものだけではありません。
骨壷や骨箱など、湿気がこもればどこにでもカビは生えてしまう可能性があります。

ベストな遺骨の保管場所

亡くなった愛犬が寂しくないように、遺骨は家族のすぐそばに置きたいものですよね。
しかし、寒暖の差がある場所は結露が発生してしまうので、遺骨の保管場所には適していません。
遺骨はカビが生えにくい場所――直射日光の当たらない風通しの良い場所で保管するのがベストです。

本来なら家族が集まるリビングに置きたいところですが、残念ながらリビングは室温の差が大きい場所なんですよね。
家の中でも日当たりの良さを重視していない寝室や、クローゼットの中のほうが遺骨は保管場所に適しているんです。

もしも愛犬の遺骨にカビが生えていたら

まず最初に申し上げておきたいのは、遺骨=白というイメージがありますが、実際の遺骨はあまり白くありません。
ベージュのような薄い茶褐色のような色をしていますし、ところどころ薄い緑色やオレンジ色の部分もあります。
これをカビと間違えてしまうことがありますが、実際は脂肪が燃焼したあとであったり、ミネラル成分が火葬の熱によって化学反応を起こした痕跡だったりするんですね。
そんなわけで、愛犬の遺骨を確認したところカビのようなものを見つけても、まずはあわてずによくよく確認してみましょう。

遺骨は高温で焼かれているので、本来カビのエサになるようなものはほとんど残っていません。
つまり、湿気によって生えたとなると、遺骨そのものより骨壷や木製の骨箱などのほうにより生えている可能性が高いのです。

骨壷や骨箱にはなんの変化も見られないのに、遺骨にだけカビが生える可能性は低いので、まずは落ち着いて観察することが大切です。
その結果残念なことに遺骨にカビが生えていたら、取り除く方法としてはもう一度焼くのが一番です。

大切な遺骨にカビ取りハイターなんて使いたくありませんよね。
ただし、自宅で焼くのは難しいため、ペットの火葬業者に相談してみることをおすすめします。

遺骨をカビさせないために注意すること

とにかく大切な愛犬の遺骨ですから、カビを生やさないのが一番なのは間違いありません。
保管場所に気をつけるとともに、素手では触らないようにしましょう。
手指のたんぱく質や脂が遺骨に付着すると、そこにカビが生える可能性があるからです。

また、少々究極的な方法にはなりますが、遺骨を真空パックするという方法はカビ対策に有効です。
とは言え、遺骨をそのまま真空パックしたのでは骨の欠片と欠片の間に隙間ができてしまい、そこに空気が残りやすくなるため効果が落ちてしまいます。
本気で真空パックによるカビ対策をするなら、粉骨してからパックにするのが一番です。

骨壷の大きさに注意

大切な愛犬の遺骨です。
骨壷にこだわりたい飼い主さんも多いのではないでしょうか。

骨上げのあとすぐに粉骨する場合は別として、拾い上げた骨の欠片をそのまま骨壷におさめる場合は、骨壷のサイズに注意してください。
思ったよりも大きめのサイズが必要なことがあり、我が家のシェパードの場合は人間(成人用の普通サイズ)と同じサイズの骨壷に納めることになりました。

本当は愛犬のイメージに合わせたデザインの骨壷に納めるつもりだったのですが、入りきらないのであわてて急きょ人間用の骨壷を用意しなければいけなくなったのは、悲しいけれど今ではちょっと笑える思い出です。