犬の骨折を未然に防ぎたい!

動物図鑑には「あまり運動は必要とせず、家の中を歩かせる程度で充分」と書いてあったのに――。

てっきり大人しい犬種と思いきや、四六時中家の中を駆け回る、エネルギーの塊みたいな犬だった、ということは珍しくありません。
小さな体でソファーやテーブルに軽々と飛び乗り、ピョーンとジャンプしたと思ったら着地失敗でまさかの骨折

飼い主にしてみたら、血の気が引くような思いを味わう瞬間ではないでしょうか。

犬が骨折をしやすい状況とは?

病気で骨そのものが脆くなっている、ということはありえることですが、実際のところ犬の骨折の多くは「事故」によるものです。

とはいえ、事故といっても交通事故ばかりではありません
犬が骨折する状況は、とても身近なところにいくらでもあるのです。

落下

さぞかし高いところから落ちたと思いきや、これがそうでもありません。
家の中に普通に置かれているソファーやイスが原因になることもありますし、飼い主さんが抱っこをしている腕から落ちて骨折してしまうことも。
小さなお子さんが犬を抱っこしていて落としてしまう、というケースも珍しくありません。

私たち人間にとってはそれほど高さを感じない場所でも、小型犬にとってはかなりの高所
人間が立っている状態で抱っこされている腕から落下してしまったら、これはもう犬にとってはシャレにはならない高さがありますよね。

また、今までは飛び降りても全く問題がなかった場所で犬が骨折することもあります
たまたま着地地点に何か予想外のものが置かれていたり犬の高齢化が原因として多いのではないでしょうか。

交通事故

ぶつかる相手は必ずしも車とは限りません。
オートバイや自転車、歩行者、ランニングをしている人とぶつかっても、犬は骨折することがあります

とは言え、きちんとリーダーウォークができている犬であれば、おそらく屋外での骨折の確率はぐんと低くなるはず。

しかし、リードをぐいぐい引っ張って歩く犬は、いざというときに飼い主によるコントロールが効かないため、とても危険です。

自転車とのすれ違いざまに犬がいきなり自転車に飛びつき、転倒させたあげく犬もその下敷きになってしまったら、犬が怪我をするのはもちろんのこと、自転車に乗っていた人にまでケガを負わせてしまうかもしれません。
場合によっては飼い主さん自身も怪我をする可能性はあるんです。

もちろん、公的な場所でのノーリードなんて論外
交通事故にあった場合、骨折で済めばまだ御の字で、最悪は死亡事故につながってもおかしくありません。

ドッグランや公園などで他所の犬とケンカになったとき、走っていて犬同士が衝突してしまったとき、運動のしすぎ、フローリングの床で滑って転倒したときなど、犬の日常には骨折につながる要因が思った以上に転がっているものなのです。

犬が骨折したときの症状

犬が骨折したかもしれない――!
でも、本当に骨折しているのか、それとも打撲や捻挫で済んだのかを見分けるのは、なかなか難しいものがありますよね。

仮に痛めた足がありえない方向に曲がっていたとしたら、これはもう明らかに骨折です。
というより、とんでもない大怪我をしている状態ですから、急いで動物病院に飛び込まなければいけません。

しかし、骨折しているのか、していないのかがわかりにくい場合は、どんな症状を判断材料にすればよいのでしょうか?

  • 骨折した疑いのある足を地面につけないままいつまでも歩こうとする。
  • 左右対称に歩くことができない、もしくは歩き方がおかしくなっている。
  • 積極的に動こうとしない。
  • 骨折した疑いのある箇所が変形している。
  • 骨折したかどうか手で触って確認しようとすると、激しく嫌がる。

とは言え、骨折しているかどうかよくわからない場合は、迷わず動物病院へ連れていくのが一番です。
たとえ骨折していなかったとしても、痛み止めを注射してもらったり、炎症をおさえる薬を処方してもらうことで、犬の痛みを和らげてあげることができるからです。

犬が骨折したときの応急処置

犬が骨折してしまったら、速やかに動物病院へ連れていく必要があります。
このとき、飼い主さんが応急処置をすることができる場合は、したほうがよいのです。

というのも骨折した場合、出来る限り患部を動かさない状態で病院に連れていくのが一番で、それ如何によってはその後の回復にかかる時間が違ってくる可能性があるからです。

しかし、犬が骨折の痛みで興奮状態にあるときは、無理に応急処置をする必要はありません
出切るだけ犬を落ち着かせたうえで、可能であれば毛布やバスタオルなどで優しくくるみ、暴れさせないようにして病院へ連れていくのが一番安全です。
興奮した犬に対して無理に応急処置をしようとすると、たとえ飼い主であっても噛みつかれてしまうことがあります。
とにかく、まずは犬を落ち着かせることが大切です。

応急処置の仕方
骨折した箇所を固定する器材の準備

木材、ダンボール、新聞紙を重ねたものなど、ある程度の固さが保持できるもので副木(ふくぼく)になりそうなものを探す。副木とは骨折した患部や関節などを臨時で固定するための器材のこと。添木ともいう。

1.副木を固定
副木を骨折した箇所と一番近い関節にあてて、包帯や綿の布などで巻いて固定する。強く巻きすぎると血流が悪くなるだけでなく、犬に強い痛みを与えてしまうので注意が必要。

2.動物病院へ搬送
固定が完了したら急いで動物病院へ事前に連絡を入れておくことを忘れずに。

骨折させない環境づくりが大事

犬が骨折すると、治療にかかる費用は20万円以上のことがほとんどです。
骨折した箇所や度合い、犬の体格や手術の種類によっては50万円を超えることも
費用面で飼い主さんを圧迫してしまうのはもちろんのこと、なにより犬は本当に痛い思いをすることになります。

また、病院を退院して自宅に戻ってからが大変で、ギプスをつけた犬を大人しくさせるのは一苦労なんてものではありません。

不慮の事故は運によるところがあったとしても、飼い主のシツケや部屋の片付け具合で防げる骨折はあるはずです。
飼い主のがんばり次第でどうにかできる原因は、出来る限り取り除いてあげたいものですよね!