真の投薬補助は同居の犬とのライバル関係だった!
愛犬にはいつまでもずっと元気でいてほしい。
――と、どれほど願ったとしても、愛犬が体調を崩してしまったり、なにがしかの病気になることはあります。
であれば、一日も早く元気な体に戻してあげたい!
飼い主は、みんなそのように願うはず。
ところがです。
肝心の犬が薬を嫌がって、飲ませるのに四苦八苦ということは珍しくありません。
イタグレの薬拒否に四苦八苦
我が家で暮らす4匹の犬のうち、薬を飲ませるのに最も四苦八苦させられるのは、イタリアングレイハウンドです。
さりげなーく食事に混ぜても、クンクンにおいをかいで、すぐに薬の存在に気づいてしまうんですね。
だったら、においの強い食べ物で薬のにおいをマスキングすればいい!
わからなくなれば、まんまと薬ごと食べてしまうはず。
そんな発想でミルク、ふりかけチーズ、肉のゆで汁などなど、いかにも犬が大喜びしそうなにおいの強い食べ物を、ご飯に混ぜて薬の存在を隠そうとしました。
ところが、「クンクン、変なにおいがする、いらない!」とイタグレは食事を断固拒否。
この程度のにおいでは誤魔化されなかったか・・・。
だったら、徹底的ににおいを消してやろうじゃないか!
イタグレの鼻には薬センサーが付いている!?
というわけで、必殺技の「鹿肉スープ」作戦を決行しました。
この作戦は、ある意味こちらとしても決死の思い。
なぜなら、鹿肉スープは温めると、正直ものすごく獣臭いからです。
部屋の中が独特の獣臭さであふれかえってしまうんですね。
しかし、イタグレに薬を飲ませるためだから、それもいた仕方ありません。
お前の体が良くなることが先決だからね、という親心で鹿肉スープを煮立て、野性味溢れる獣のにおいに顔をしかめつつも、犬たちのご飯を作りました。
ところが、です。
なんと、またもやイタグレは「クンクン、あ、薬入ってるでしょ、いらない」とばかりに顔をそむけてしまうではないですか。
うそでしょう!?
こんなに獣臭いスープをかけたのに?
他のメンバーは狂喜乱舞して野生まるだしでがっついているのに?
なんというか、イタグレの鼻には高性能の薬センサーでもついているのでしょうか。
まったく誤魔化されてくれません。
ダメもとで投薬補助のオヤツを利用
現在、イタグレは毎日朝晩の1日2回、薬を5錠ずつ飲んでいます。
正直なところ、口を開けて強引にのどの奥に放り込むという方法をとれば、ご飯に混ぜなくても薬を飲ませることはできます。
しかし、無理矢理口をこじあけて飲ませるたびに、イタグレはとても悲しげな顔をするんですよね。
死神が来た、みたいな。
だからこそ、無理のない方法で薬を飲ませてあげたいと思うのですが・・・。
残念ながら、食事に混ぜる作戦は一向に功を奏してはくれません。
そのことをかかりつけの獣医師に相談したところ、「投薬補助のオヤツを試してみたら?」とのこと。
そこで、柔らかいお団子のような形状をしている投薬補助のオヤツを利用してみることにしました。
要はその中に、錠剤や粉末を包んで犬に食べさせる、療法食の親戚のような製品。
しかし、いくら投薬補助を目的としたオヤツとはいえ、あのイタグレの鼻をかいくぐれるだろうか。
そんな半信半疑の気持ちで試してみたのですが、果たしてその結果は――。
パクっと食べました。
それも、なんの躊躇(ちゅうちょ)もせずに。
すごい!
さすがは投薬補助に特化したオヤツ!
しかし、本当の意味で投薬補助だったのは、同居している犬達だったのです。
盗られる前に飲み込む
さすがに投薬補助が目的なだけあって、ものすごく犬が好むにおいがつけられているのでしょう。
この中に錠剤を仕込んでお団子状にまるめていると、当然のことながらイタグレ以外の犬達も「うん?なんかいいにおいがする」とでも言いたげな顔でわらわらと近寄ってきます。
そこで、「はい、おやつだけど誰が食べるかな?」と全員にお団子を見せるんですね。
すると、シュナウザー2匹は我れ先に「ちょうだい、ちょうだい!」と飛びついてきます。
その隙間をかいくぐって近寄ってこようとするイタグレの口もとに薬入りの団子を差し出すと、なんの躊躇もなくパクリ!
しかも、他のメンバーに盗られまいと、よく噛みもせずにゴクリと飲み込んでしまうのです。
この方法で、イタグレはまんまとお薬を飲むようになりました。
投薬補助のオヤツがこんなに便利なアイテムだったとは!。
しかし、真の投薬補助は同居の犬達とのライバル関係です。
イタグレ以外のメンバーには悪いなと思いつつ、今日もイタグレ以外の3匹には、かませ犬の役をお願いしています。
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