パンジーもチューリップも実は毒性のある植物

植物は、私たちの生活に欠かすことができません。
食べ物としての植物――野菜や果物はもちろんのこと、観賞用の花や草木も生活に潤いを与えてくれるものですよね。

ところが植物の中には毒性のある成分を含んだものが思った以上にたくさんあります
食べられる植物と食べられない植物を間違えて採取した結果、食中毒を起こしてしまった、というニュースを毎年耳にしますよね。

こういった事故は山野草が出回る時期に集中する傾向にありますが、だからでしょうか。
「毒のある植物」=「山野草」というイメージを持っている人も少なくありません。
しかし実際は、毒性のある植物は驚くほど身近にあるのです。

公園や街路樹などはもちろんのこと、自宅の庭や室内の植物、はては花瓶に活けた切花にも毒性のある成分が含まれているかもしれません。
そして、そういった植物を誤食してしまう犬が少なくないのです。

犬はなんでも口に入れて飲み込んでしまう生き物

うちはドッグフードしか食べさせていないから大丈夫……。
という感覚は、犬が毒のある植物を誤食してしまうことに対しては、残念ながらなんの解決にもなりません。

なぜなら、犬はよくわからないものや興味のあるものは、なんでも口に入れて確かめたくなる生き物だからです。

さらに付け加えるなら、犬は口に入れたものをつい飲み込みたくなる生き物
こういった性質が毒のある植物を誤食してしまう事故につながるのです。

そんなに簡単に犬は草や花を食べてしまうもの?と疑問に思ったかたもいるのではないでしょうか。
ずばり断言します。
犬は飼い主が思っている以上に庭の草花を口でいじりますし、土中の球根や植物の根っこを掘り起こすのが大好きです

中毒を起こしたことはないにしても、花壇をいたずらされた、植木鉢をひっくり返されてしまった経験をお持ちの飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
そのときはたまたま誤食しなかっただけで、次は毒のある植物を飲み込んでしまうかもしれません。

でも、うちは室内飼育だから……、などと油断するのは禁物です。
室内の植物――たとえば花瓶に飾ってある切花や観葉植物にも、種類によっては犬が口にすると危険なものがいくつもあるのです。
しかも、その種類はよく見かけるものであり、決して珍しいタイプの植物ではありません。

こんなメジャーな草花にも犬が口にすると危険な毒性が!

犬が食べてしまうと危険な植物は山ほどありますが、今回はその中でも、多くのお家で普通に見られる植物をピックアップしてみましょう。

パンジー

花壇といえばパンジーというぐらい、とてもメジャーな花ですが、根茎に神経毒のビオリン、サポニン、ビオラルチン、グリコサイドなどを含んでいます。
誤食した場合にみられる症状/嘔吐、神経麻痺

チューリップ

チューリップはすべての部位にチューリッピンやツリピンといった心臓毒を含んでいます。
花壇に植えてある球根はもちろんのこと、部屋に飾った切花が原因で腎不全を引き起こし、最終的には安楽死を選ばざるをえなくなった猫もいるほどです。
誤食した場合にみられる症状/嘔吐、血圧降下、呼吸困難

スズラン

スズランに毒があることは比較的よく知られています。
しかし、その毒性の強まではなかなか周知されていません。
スズランはすべての部位にコンパラトキシン、コンバロシドといった毒性の成分が含まれているのですが、毒性の強さは青酸カリのなんと15倍!
花や根には毒性のある成分が特に多く含まれているため、土に植えられたままでも切花でも、犬が近づける場所には絶対に置いてはいけない植物です。
誤食した場合にみられる症状/嘔吐、痙攣、心臓麻痺、異常な興奮、昏睡

スイセン

スイセンは球根だけでなく葉や茎、花など全体的にリコリンやシュウ酸カルシウムといった有毒成分を含んでいます。
特に地下茎などの鱗茎や球根にはこれらの成分が多く含まれていますので要注意。
家庭の庭や畑、公園の花壇や街路樹の根元など、いろいろな場所でみかける花だけに毒性のある成分が含まれていることをつい忘れてしまいがちです。
誤食した場合にみられる症状/嘔吐、下痢、血圧低下、痙攣、昏睡、心不全

毒のある植物から愛犬を守るためにできること

前述した4種類の花は、住宅街を歩けばどこのお家でも見られるような植物ばかり。
路地はもちろんのこと、プランターや植木鉢にもよく植えられている人気の花ばかりです。

このように、犬が口にすると危険でありながら、とても身近な植物は数え切れないほどあります。
いまいちどお家の中に置いている鉢花や観葉植物、庭の花壇や樹木はもちろんこと、愛犬を連れてよく通る道の街路樹や公園の花壇などをよく観察してみてください。
毒性を含んでいる植物のあまりの多さにぎょっとするはずです。

  • 枝や葉、花など植物で犬を遊ばせない。
  • 室内の植物は、犬の届かない場所に置く。
  • 屋外のように植物がすぐそばにある場所で犬を遊ばせるときは目を離さない。

こういった飼い主の地道な管理こそが、愛犬を植物の誤食から守ります。