ドッグショーの世界には思惑としがらみがいっぱい
我が家の愛犬もドッグショーに出場させてみようかな――。
そう考えたことはありませんか?
そのきっかけの一つとして、ショーブリーダーから子犬を購入し
「この子犬は将来ドッグショーで勝てる犬だから、出してみない?」
と誘われることから始まることがあるのです。
しかしそれを鵜呑みにすると、後々大変なことになるかもしれません。
チャンピオンにするにはコネも必要
愛犬のハンドラーは自分がやるから、子犬と一緒に私も練習します!
……と、素人が考えて一生懸命頑張ったとしても、
自力でチャンピオンを完成させることはなかなか大変です。
ドッグショーにおけるマナーについては、私がちゃんと教えるつもりです!
とやる気をみせたとしても、かなり道のりは厳しいと言わざるを得ないでしょう。
それは、素人ではショーマナーを
犬に教えることができないから、というわけではありません。
問題はそういうことではなく、大人の事情によるものです。
JKCのドッグショーはJKCの会員でなければ出場できません。
JKCという畜犬団体は多くの支部から成り立っているものであり、
そこにはたくさんのしがらみがくっついてきます。
つまり、JKCとの関係、ハンドラーとの関係、支部の中でのコネクションなどなど、
人間の思惑が複雑に絡み合って出来上がっているのがドッグショーなのです。
割り切らないとやってられない
審査員がジャッジする競技の場合、公式なスポーツの大会でも
疑惑の判定などが囁かれることは珍しくないですよね?
ドッグショーでも、明らかにあっちの犬の方が上なのに、
何でこっちの犬がカードを獲得しているの!?と思う場面はあります。
そこには、前回は○○支部の犬にカードを獲らせたから、今回は△△支部の犬で……
という内部事情による力が働いていることがあります。
また、犬を預かるハンドラーのサジ加減により、
ドッグショーにどの犬を出すのかが決まってきます。
つまり、同じ犬質であっても
ハンドラーの預かる犬の中で犬種がかぶってしまった場合、
一方はショーに出場しても、もう一方は待機させられることもあるのです。
これは、小さな問題のように思われがちですが、実はそうでもありません。
なぜなら、ハンドラーに預けている間、月々に費用がかかっているからです。
あっちの犬は順調にカードを集めているのに、
うちの犬はまだ1枚も獲っていない……という場合、
あっちの犬には早くチャンピオンを獲らせようという
何がしかの兼ね合いがあるのでしょう。
ドッグショーとは無縁の世界で生きてきた飼い主が
自分の犬をチャンピオンにさせたいと思ったら、7桁の出費を覚悟し、
ある程度の割り切りを持たなければやっていられません。
ショードッグになったことで不幸せになった犬はたくさん知っていますが、
ショードッグにならなかったことで幸せになった犬もたくさん知っています。
生半可な気持ちでは犬も人間も不幸になるだけですから、
チャレンジする場合はそれなりの覚悟をもって臨みましょう。
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