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犬の名前を呼んで近づいてこないのはどうして?

この記事の目次

犬は賢い生き物――。
一緒に暮らしていると、驚くほど実感するのではないでしょうか。
喜んだり、驚いたり、ときには悲しんだり拗ねたりと、その感情豊かな様子はペットというよりまさしく家族の一員です。
大人にとっては子どもと遜色なく、子どもにとっては兄弟姉妹のような感覚を抱いても不思議ではありません。

だからなのでしょうか。
人間は往々にして犬を「人間のように」扱ってしまうことがあります。
そしてそのことが、実は犬をとても困惑させているのです。

犬は人間の子どもではありません

犬と接していると、2、3才の幼児よりずっと賢いと感じてしまうことがあります。
誤解を恐れずに言うなら、7才児より頭がいいと思うことさえあるんですよね。
しかし、それはあくまでも比喩であり、犬と人間が同じだという感覚ではありません

というのも、犬と人間は根本的に違う生き物。
どんなに賢くても、犬は言語を話すことによって私たち人間とコミュニケーションをとる動物ではないからです。

「でも、うちの子は賢くて人間が言うことをちゃんと理解しているよ?」
そんな反論が聞こえてきそうですが、そういうことを言っているのではありません。
仮に飼い主が言っていることを理解しているとしても、それに対して言語で返答するわけではありませんよね。
飼い主が言いたいことの内容を、飼い主の感情を読み取ったうえで犬なりに解釈しているにすぎません
それが私たち人間には、「この子は私の言うことを人間のように理解している」と過大解釈してしまうわけです。

犬には犬の言葉がある

どんなに飼い主の言うことを理解しているように見えても、犬は犬としてのコミュニケーション手段を失ったわけではありません
ところが人間は犬の中に人間性を勝手に見出してしまい、往々にして人間扱いしてしまいます。

たとえば犬のイタズラを発見したとき。

「あー!クッションがボロボロになってる!○○!なんでイタズラするの、○○、聞いてるの?ちょっとこっちに来なさい。○○!どうしてこんなことをしたの。○○は悪い子ね!」

こんな光景に思い当たるふしはありませんか?

○○の部分には犬の名前が入るのですが、犬はこの飼い主の言葉を一字一句聞いているわけではありません。
全体を通して飼い主が怒っている、という事実を拾い上げているのです。

犬は怒っている飼い主は好きではありません
そんな状態の飼い主には、できれば近寄らないほうがいいとさえ思っていることでしょう。
そんな状態で飼い主が発する言葉の中に○○という名前が連呼されているのです。
「○○、おいで!」と呼ばれても、犬にしてみれば飼い主が怒っているときの状況と結び付けやすくなり、行きたくない、行かないほうがよさそうだ、と判断しても不思議ではないと思いませんか?

いくら名前を呼んでもうちの犬は来やしない!とぼやく飼い主さんに限って、犬を叱るときに名前を連呼しているものです。

犬は家族の一員だが人間ではない

人間は言語を獲得し、文明を獲得した稀有な生き物。
しかし、それゆえに人間の行動は不思議と謎と矛盾に満ちています

その複雑さを犬に求めてはいけません。
たとえ無意識にであろうと、飼い主の一貫していない行動は犬を混乱させるだけなのです。

愛犬の名前を呼んでも自分の近くに寄って来ないとしたら、飼い主には身に覚えがなかったとしても、過去に間違いなく犬を呼びつけて叱った経験があるはず
犬の名前を呼んでも近づいてきてくれないとしたら、悪いのは犬ではありません。