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白菜は健康な犬限定で食べさせてもよい食材

この記事の目次

白菜は煮て良し、焼いてよし、生で食べてもおいしい野菜です。
味に癖がないので、和洋中のどの料理にも馴染んでくれるお助け食材でもありますよね。
そんな白菜ですが、犬に食べさせても大丈夫なのか迷ったことはありませんか?

白菜はほとんどが水分

結論から言ってしまうと、犬は白菜を食べても大丈夫です。
ただし、健康な犬であれば、という条件がつくことを忘れてはいけないのですが。

なぜ健康な犬であれば、と言っているのかは後で説明するとして、まずは白菜が含んでいる栄養について見ていきたいと思います。
白菜には、意外なほど様々な栄養素が含まれています。

水分、炭水化物、食物繊維、ビタミンC、ビタミンB2、ビタミンK、ビタミンU、ビタミンA、カリウム、カルシウム、鉄分、亜鉛、イソチオシアネート・・・

上記の羅列を見た限り、ものすごく栄養豊富な野菜という感じがしますよね。
まあ、実際のところ白菜の95%は水分。
つまり、含まれている栄養はそれぞれが微量ずつ、ということになるでしょうか。

とは言え、葉物野菜としては充分な栄養素が含まれていますので、ビタミンやミネラル、食物繊維などを摂取するための食材として、白菜を犬の食事に加えることは、悪くない選択といったところです。

ただし、食べさせ過ぎは絶対にダメ!
水分が多いこととカリウムの利尿作用が相まって、尿の量が増えてしまうからです。
高齢犬などはそのせいでおもらしをしてしまうこともありますので、きちんと加減したうえで食材に加えたほうがよいでしょう。

また、腎機能が低下している犬の場合、カリウムが処理しきれずに血液中のカリウム濃度が高くなってしまうと、不整脈の原因心臓に悪影響を及ぼすことがあります。

イソチオシアネートは両刃の剣

犬は白菜を食べても大丈夫だけれど、健康な犬であれば、という条件がつく食材です。
その理由は、白菜に含まれているイソチオシアネートという成分に注意が必要だから。

イソチオシアネートは大根やワサビにも含まれている成分で、一般的には辛味成分と知られています。
つまり、食べ過ぎると胃を刺激してしまう可能性があります。

しかし、そこの部分が問題だから健康な犬しか食べてはいけない、と言っているわけではありません。
イソチオシアネートは殺菌作用が強く、血栓を防止する効果やがんを予防する効果が期待できる貴重な成分。
そのため、そこの部分だけで考えてしまうと、ぜひとも積極的に犬に摂取させたい成分のような気がしますよね。
しかし残念なことに、イソチオシアネートには甲状腺ホルモンの合成や取り込みなどを阻害する作用があるのです。
つまり、甲状腺の機能に問題がある、もしくは甲状腺に関連のある疾患を持っている犬には摂取させたくない成分ともいえるものなんですね。
せっかく血栓を予防したり発がんを抑える効果が期待できるというのに、なんとももどかしい話しです。

白菜の食べさせ過ぎは嘔吐や下痢の原因

甲状腺に問題がないからといって、あまり食べさせ過ぎると白菜は嘔吐や下痢の原因になります。
白菜はそのほとんどが水分。
加えて食物繊維が影響し、食べさせ過ぎるとお腹を緩ませる原因になってしまうのです。

そもそも、犬の胃腸は食物繊維を消化・分解することがほとんどできません。
つまり、適量の食物繊維は腸内の善玉細菌のエサになる歓迎すべきものですが、適量を超えてしまえば胃腸に負担をかけるものでしかなくなってしまうのです。

白菜に限った話ではありませんが、犬の食事において、野菜はメインの食材にはなりえません。
あくまでもミネラルやビタミンを摂取するために、少量を食べるぐらいがちょうどいいのです。

もちろん、食べさせるときは加熱したうえで、さらに細かくしたりすりつぶして与えるのがベスト。
生のままバリバリと食べてしまう犬も少なくありませんが、若いうちは問題がなかったとしても、いずれ年をとって胃腸が衰えてくると、確実に嘔吐や下痢の原因になってしまうことでしょう。
白菜を含めて野菜を犬に与えるときは、とにかく消化に良い一手間をかけることが必須です。