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警備犬

この記事の目次

警備犬――。
警察犬なら聞いたことがあるけれど、警備犬??と思ったかたもいらっしゃるのではないでしょうか。

民間の警備会社でガードマン的な仕事をしている犬かと思いきや、実は警備犬は公務で働く超優秀犬ぞろい。
そんな警備犬が所属しているのは警察と自衛隊です。
警備犬とは爆発物の捜索やテロリストの制圧だけでなく、災害現場での捜索から被災者の救助なども行う、とても高度に訓練された犬たちなのです。

警備犬と警察犬の違い

日本における警察犬は、警察が所有して使用する直轄の警察犬と、警察が実施する試験に合格し、警察から認められた嘱託犬の2種類に分かれます。
しかし、警備犬は警察も自衛隊も直轄のみ。
そして警察犬は47都道府県に設置されていますが、警察における警備犬は警視庁(東京都)と千葉県警察だけです。

東京はいわずと知れた日本の首都であり、千葉には成田空港があるからですね。
ちなみに、警視庁の警備犬は警備部警備第二課警備装備第三係に所属しています。
そして、千葉県警察の警備犬は警備部成田国際空港警備隊警備室警備第二課の所属。
ここに所属している警備犬たちは、テロリストの制圧や爆発物の探知など、命をかけた仕事をしているのです。
アメリカのトランプ大統領が初来日する前に、日米首脳会談の会場となった迎賓館の敷地内を不審物がないか探索したのも警備犬です。

自衛隊の警備犬

昭和30年代までは陸上自衛隊にも警備犬がいましたが、現在自衛隊の中で警備犬が配備されているのは、航空自衛隊と海上自衛隊の2つです。
警察に所属する警備犬と同じように、警察犬のような仕事はもちろんのこと、災害時は救助犬としても仕事をする犬たちです。
航空自衛隊、海上自衛隊とどちらの警備犬も爆発物の探索、不審者の追跡、要救助者の捜索などを主な仕事としています。
東日本大震災の折、海上自衛隊に所属している警備犬はガラスの破片で足を血だらけにしながらも、取り残されていた被災者を見つけ出すことに成功しました。
しかしその後、派遣された警備犬のうちの1頭は肺炎にかかり、4年という短い生涯を閉じることになったのです。

警備犬のことをもっと知ってほしい

警備犬たちは表舞台で華々しく活躍するような仕事をしているわけではありません。
しかし、人間の命を救うために命がけでがんばっている警備犬のことをもっと知ってほしいと思います。

もちろん、警備犬たちをしっかりと訓練し、活躍させるべく頑張っているハンドラーのことも。
このハンドラーですが、警備犬の場合は委託された民間人は一人もいません。
警察に所属している警備犬のハンドラーは警察官であり、自衛隊に所属している警備犬のハンドラーは自衛官です。
ペットとしてではなく、命をかけた仕事をする犬たちを訓練する彼らは、警察官や自衛官であると同時に、超一流のハンドラーでもあるのです。