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ブルドッグは飼い主の管理能力が試される犬

この記事の目次

かつては牛をいじめる見世物のために作出されたブルドッグですが、
現在はもちろんそんな目的での飼育はされていません。

牛いじめ(ブル・バイティング)が法律で禁止されて以降、
一度はあやうく絶滅しかけたブルドッグでしたが、
家庭犬としてふさわしい性格に改良されてからは、
比較的人気の安定した犬種へと変貌できました。

ブルドッグとは、そんなふうに人間の都合によって振り回された歴史を持つ犬で、
それゆえ今度は恩返しのように人間が多くの気を使うべき犬種となったのかもしれません。

必要な経費がかけられない飼い主にブルドッグは向かない

犬に必要以上の贅沢をさせる必要はありません。
しかし、必要な管理についてかかる費用を絶対に惜しんではいけない
――それがブルドッグを飼う人の責任です。

ブルドッグはマズルがつぶれたような形状を見れば一目瞭然ですが、
高温多湿には極めて弱い犬種です。

風通しの良い場所なら大丈夫というレベルではありませんので、
日本の夏はエアコンでの室温調整が欠かせません。

油断すればあっという間に熱中症を引き起こし、
体調不良どころか死につながります
から、
電気代が払えるかわからないという人がブルドッグを選んではいけないのです。

また、皮膚などに疾患がでやすいため、
食器の素材にはプラスチックなどは避けた方がよいですし、
ゴロゴロするソファーなども安いビニール素材などはやめておくべきです。

石油製品によるアレルギーを避けるためにも、
食器はステンレスや陶器などを選び、ブルドッグが寝転がる場所には
出来るだけ天然素材のものを敷くようにしたほうがよいでしょう。

気を使うべきはさらにある

ブルドッグはかつてのブル・バイティングの影響で、
骨格そのものにかなりの無理がかかっています。

そのため、食事をさせる時には食器を床に置かず、
ちょうどよい高さの台などを使って
前足を不自然に曲げさせないように気をつけなければいけません。

また、適度な運動は必要ですが高いところからジャンプするようなことは厳禁ですし、
体温上昇を招かないように運動のさせ過ぎもいけません。

このように運動制限が必要でありながら、
食欲旺盛で肥満になりやすい
ため、そこにも注意をしなければいけないのです。

ブルドッグは太めの方が見た目がよい、などという理由で
太らせてしまう飼い主がいますが、寿命を縮める結果にしかなりません。

管理が大変なのに愛されるのは…

ブルドッグはものすごくものぐさな性格をしているかと思えば、
突然ユーモラスな動きを見せたりと、一緒に暮らすうえで飼い主を幸せにしてくれる犬です。

人間や他のペットとも仲良くできるタイプの個体が多いですから、
そういう意味でも家族の一員という立場がふさわしい犬であることに間違いはありません。

しかし、管理を怠ればあっという間にその幸せは崩れてしまうでしょう。

ブルドッグを選ぶ飼い主は、すべてにおいてブルドッグが
健康に過ごせること
を前提として行動しなければいけないのです。