伝染病予防ワクチンは犬を守るために接種するもの
――伝染病予防ワクチンって、獣医が儲けるために打つって本当ですか?
などと質問をしてくる飼い主さんがいます。
ワクチン接種の頻度や選択する種類については意見が分かれるところであり、
どの説が正しいのかは正直言ってわかりません。
しかし、これだけは断言できます。
伝染病予防ワクチンは獣医が儲けるために接種するのではありません。
あなたの愛犬の命と健康を守るために接種するのです。
混合ワクチンはなぜいくつも種類があるのか?
伝染病予防ワクチンにはいくつもの種類があります。
ここでいうのは法律で接種が義務付けられている狂犬病予防ワクチンではなく、
飼い主の任意によって接種する伝染病予防ワクチンの方です。
現在、最も恐ろしい伝染病といわれるパルボのみを予防する単体ワクチンもありますが、
多くは2種、5種、9種、11種というように、
パルボ+数種類が混合されているワクチンを接種することになります。
これは「大は小を兼ねる」という感覚で
とりあえず一番混合された種類の多いものを接種しておけばいい、
というような単純なものではありません。
なぜならワクチンを接種することで、アレルギー反応が起きることもあるからです。
それがもしも全身性のアナフィラキシーショックだった場合は、
命にかかわることになるでしょう。
そこまで酷くならない場合でも、
顔や全身が腫れあがってしまったりすることは充分にありえることなのです。
安全なワクチン接種は信頼できるかかりつけの動物病院で
混合ワクチン接種において重要になってくるのは住まいの地域と、
きちんとした獣医さんにかかっているのか、という点です。
混合ワクチンによって防ぎたい伝染病の中には、
地域によって汚染率に差があるものがあります。
たとえばレプトスピラという細菌は、
一昔前までは日本列島の西の地域は危険度が高かったのですが、
関東から北に向かうにつれて心配は少ないといわれていました。
しかし、現在では汚染地域はどんどん北上し、
すでに本州全土が危険地域であると考えるべきでしょう。
こうなると、以前は5種混合ワクチンでよかった地域が
7種、9種などに変更せざるをえなくなるわけですね。
そして、5種のときには全く問題がなかったのに、
9種に変更した結果アレルギー反応を起こしたのだとしたら、
追加された4種に原因がある可能性が高くなるわけです。
その場合は次回ワクチンでは7種を選択したり、
5種に戻して様子を見ることになるでしょう。
そういった細かい調整については獣医さんと相談しながら決めることが一番。
犬との生活には突然何が起こるかわかりません。
たとえ今は愛犬が元気であろうと、信頼のおける
かかりつけの動物病院を見つけておくことは、実はとても大切なことなのです。
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