犬がそばから離れないのは私のことが大好きだから、という勘違い
家の中では自由にさせているのに、
愛犬が飼い主の後ろをベッタリとついて歩いている。
ドッグランでリードを外して遊ばせても、
すぐに飼い主のもとへ戻ってきてそばから離れようとしない。
こんな状況を喜ぶ飼い主はたくさんいます。
愛犬が自分のことを好きで好きで仕方がないから、かたときも離れたくないのだろう
――そう認識しているからなのでしょう。
しかし、こういった犬の行動は、実はそういった微笑ましいものではありません。
犬と飼い主の位置
一見すると、上記のような犬の行動は、
懐いているからこそベッタリしているように思われがちです。
ところが、そのような考え方は、
あくまでも人間側にとって都合の良い解釈でしかないのです。
犬は、どこからか敵がきたときに守ってあげなければいけないと思っているから、
そばから離れようとしないのです。
犬が自分を守ってくれようとしているなら、
そんな素晴らしいことはない、と思うかもしれません。
しかし、犬にとって飼い主が「頼れるリーダー」であったなら、
そんな行動にはでないはずです。
信頼できるリーダーが近くにいるとき、犬はリラックスしています。
家の中なら、お気に入りの場所でゴロゴロしているかもしれませんし、
オモチャで遊んでいるかもしれません。
ドッグランでは他の犬と遊んだり、おおいに駆け回ったりすることでしょう。
もちろん、視界から飼い主が消えたときには、
すぐに姿を確認できるところまで戻ってくるとは思いますが。
こういった正しい飼い主と犬との距離感が作られていると、
家の中だろうが外だろうが、四六時中リーダーの後をついてまわり、
リーダーの体にくっついている必要はないんですね。
飼い主のエゴが、犬をストレスにさらしている
愛玩犬として飼っている犬が四六時中自分にまとわりついてくるのは、
飼い主にとってはそれほど嫌なことではないのかもしれません。
むしろ、そういう状況が欲しかったからこそ、
犬を飼ったのだという人もいることでしょう。
しかし、それは飼い主のエゴでしかありません。
自分が好かれている、愛されているという実感を得るために、
犬を強いストレスにさらしている結果なのです。
自分が金をだして買ってきた犬だし、世話もしているのだから
それでいいじゃないかというのも、ある意味では一つの考え方なのかもしれません。
しかし、そういう欲求を満たすために犬がいるのだとしたら、
それは果たして家族の一員と言えるのでしょうか?
犬という生き物
犬とはとても社会性の強い、群れで生きることを本能に刻み込まれた生き物です。
いくら姿形が可愛くても、ヌイグルミではありません。
自分が犬好きである、という意識があるのなら、
犬という生き物の生態をもっと尊重するべきではないでしょうか。
自分は犬好きであると思い込んでいる、自分大好き人間が多すぎるから、
いつまでたっても問題行動を起こす犬が減らないのかもしれませんね。
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