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犬の体当たりや飛びつき癖に隠れている問題とは?

この記事の目次

愛犬が元気いっぱいに過ごしていることは、飼い主としてなによりも嬉しいことです。
でも、その元気いっぱいにも限度がありますよね。
元気すぎて制御が効かない状況は、飼い主の悩みの種となるものです。

たとえば飛びつきや体当たり。
小型犬だとつい「元気いいわねぇ」で済ませてしまいがちですが、中型犬、大型犬ともなれば、そうもいきません。
ときにはシャレでは済まされない事故を引き起こしてしまうこともあるからです。

現在、日本で飼育されている犬の8割が小型犬ということもあり、飛びつきや体当たりの問題を、あまり深刻に考えていない飼い主さんが多いような気がしてなりません。
しかし、自分の愛犬がなぜ体当たりをしているのかについて考えることは、正しいシツケをするうえでは欠かせないことのはずなのですが……。

犬が飛びついたり体当たりをする理由は一つではない

愛犬が飼い主に飛びついたり体当たりをするとき、往々にして飼い主はちょっとした勘違いをしてしまいがちです。

  • 遊んでほしいから飛びついてくるのだろう。
  • 外出から帰ってきたのが嬉しいから体当たりをしてきているのだろう。

こういった理由は、犬が飛びついたり体当たりをしてくる理由としては、別に間違っているわけではありません。
まあ、ほとんどの犬は飼い主に遊んでほしくて仕方がないですし、出かけていた飼い主が戻ってくれば、嬉しくて仕方がないのは事実です。

しかし、問題はその感情をそのままストレートに飼い主にぶつけているという事実のほうなんですよね。
すなわち、遊んでほしいから飛びついたり体当たりをするということは、「遊べ」と飼い主に対して要求していることに他ならないからです。

「一体、それのなにがいけないの?」と思われるかもしれません。
しかし、犬と遊ぶのも犬をかまうのも、すべては飼い主が主導するべきこと。
犬に要求されたから従うことではないのです。

正しいリーダーに対し、犬はぶしつけに飛びついたりはしない

犬は群れの生き物です。
そして、犬にとって一番ストレスなく幸せに暮らせるのは、強く正しいリーダーのもとで、下っ端として生きることなんですね。

群れのリーダーとは、群れを外敵から守りつつ秩序を維持するという、実はとても重要な役割を背負っています。
人間の中には責任も持たないくせに、やたらとリーダーになりたがる無責任な人が山ほどいますが、犬の場合はそうではありません。
犬にとってリーダーとは、あくまでも強く正しいもののことです。

だからこそ、飼い主はその役割を担わなければいけないわけですが、それができていない飼い主は掃いて捨てるほどいるのが現状。
そして、そんな頼りにならない飼い主に代わり、犬は仕方なくリーダーっぽい行動に出ざるをえなくなるわけです。
つまり、不躾な飛びつきや体当たりは、そういった行動からくるものなんですね。

もちろん、犬同士がジャレあう中でも、そういった行動は見られます。
しかし、犬同士での飛びつきや体当たりは、きちんと犬の掟の中での出来事であり、犬と犬はそれなりの共通認識を持っていることでしょう。

しかし、対人間の場合はそうではありません。
犬が飛びつきや体当たりに込めている意味と、人間の側が受け取っている意味の間には重大な食い違いが生じやすいのです。
私たち人間は、愛犬の飛びつきや体当たりを「遊んで、遊んで!」と言っているのだと好意的に解釈してしまいがち。
しかし、実際のところは「おい!遊べ!」という命令を含んだ要求であることを、きちんと理解する必要があるのです。

興奮を鎮ましてから遊ぶことの大切さ

愛犬が遊んでほしくて飛びついてくることも、帰宅を大喜びして体当たりをしてくることも、それ自体が悪というわけではありません。
問題は、飼い主がそれをそのまま受け止めてしまい、犬の要求に従ってかまってしまうこと
それを防ぐためには、飛びつきも体当たりも、飼い主の号令一つで止めさせることができるようになる必要があります。

遊んでほしくて飛びついてきたら、まずは「お座り」なり「伏せ」をさせて犬の興奮を瞬時に鎮めることがとても重要。
興奮しまくっているのに、一発で鎮めることなんてできる?と思われるかもしれませんが、きちんとリーダーとして認識されている飼い主が発するコマンドには、その力があります。
うちの犬はビョンビョン飛びついてくる状態では何を言っても無駄、と思っているのだとしたら、それこそが犬になめられている証拠です。

そして、犬に信頼されているリーダーになれていないということは、正しいリーダー不在によって、犬に少なからずの精神的なストレスをかけていることでもあるのです。
「うちの犬は遊んで遊んでとしつこく飛びついてくるけど、そこが可愛い」などと寝言を言っている場合ではありません。

小型犬の飛びつく力をあなどってはいけない

大型犬や中型犬に勢いよく飛びつかれたり体当たりをされると、大人でも吹っ飛ばされてしまうことがあります。
これが子供相手やお年寄り相手で同じことをしたら、とんでもない事故の原因になることも。

また、小型犬だからといって油断はできません。
体重5kgであろうと、全力で飛びつかれれば大人でもぐらつかせることなんて容易です。
ちなみに私は、犬の室内トイレを掃除している最中に小型犬に背後から飛びつかれてしまい、その勢いで今まさに拾おうとしていた犬のウンチに思いっきり手をついてしまったことがあります。
もちろんその後、その犬の飛びつき癖はきっちりと矯正しました。