雷を完全に克服することは難しい

「先輩犬が雷を怖がるから、
あとからきた後輩犬も雷を怖がるようになったのよねぇ…」と、
ある飼い主さんが嘆いていましたが、果たしてそれは本当なのでしょうか?

犬によって「怖がる」「怖がらない」に分かれる不思議

雷が鳴るたびに先輩犬が怖がるから、その恐怖が伝わって後輩犬も怖がるようになる――。

そういうことが絶対にないとは言いませんが、
一緒に暮らしている犬たちを観察するかぎり、
どうもそうではないように思われます。

なぜなら、少なくともうちにいる4匹の犬にはあてはまらないからです。
現在我が家で暮らしている4匹を例にして考えてみましょう。

犬の種類 犬が怖がる代表的な音
花火
パグ×パピヨンMIX(10歳/メス) ×
イタリアングレイハウンド(8歳/メス)
ミニチュアシュナウザー(7歳/メス) ×
ミニチュアシュナウザー(6歳/メス)

この4匹は子犬の頃からずっと一緒にいますので、
雷が鳴り始めてガタガタと震える一番年長の犬を間近で見て育ちました。

ところが2~4の3匹は雷が激しく鳴っても全く怖がりません。
しかし3番目の犬だけは、雷には反応しませんが花火の音は怖がります。

花火だけというより、屋外で大きな音がすると怖がるので、
基本的に物音に敏感なのでしょう。
それなのになぜか雷は怖がらないから不思議です。

さらにさかのぼって、この4匹より前の世代を思い返してみると…

犬の種類 犬が怖がる代表的な音
花火
北海道犬(オス)
ジャーマンシェパード(オス) ×
柴犬(メス) ×

つまり、先輩犬に該当する北海道犬が雷も花火の音も怖がらなかったのに、
シェパードと柴犬は雷が苦手だったのです。

無理に克服させるより

雷が苦手で鳴るたびにブルブル震えているのを見ると可哀想になり、
なんとか克服させてやりたくなるものです。

しかし、雷の音を録音して聞かせ、
そのたびにオヤツがもらえるという方法を試してみても、
ほとんど効果はありませんでした。

犬が雷を怖がる理由は完全に解明されていないのが現状で、
雷による静電気の変化だとか気圧の変化だとか、
とにかく怖がる理由が音だけはないことははっきりしているのです。

そのため、録音された雷の音にどうにかこうにか慣れたとしても、
本物の雷が鳴ると怯えてしまうようでは、
何度も音を聞かされることでかえってストレスを与えていることにもなるわけですね。

それより、雷を怖がる犬がどうすれば落ち着くのか、
という点に注目した方がよいのかもしれません。


我が家のミックス犬は雷が鳴るたびに洗面所に飛び込みます。
洗面所は家の中で唯一窓のない場所だからなのでしょう。

現在では、雷がゴロゴロと鳴りだす前に洗面所の扉を開けておくようにしています。
すると、かなり遠雷の段階――つまりは人間の耳にはまだ届いていなくても、
MIXは洗面所に非難するようになりました。

おかげで急な雷雨のタイミングがわかるようになり、
外に干した洗濯物を濡らさずに済むという、夕立センサーの役割を担っています。