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血統書の発行が遅れているのはなぜ?

この記事の目次

ペットショップで販売されている子犬には、
犬種、性別の他に誕生日や産地などが記されています。

その誕生日の中に「○月○日頃」と書かれているのを見かけたことはありませんか?

他の子犬には「△月△日」と書かれているのに、
その子犬の誕生日には「頃」がついているとしたら、
それはまだ血統書がショップに届いていない可能性があります。

なぜ血統書の発行が間に合わなかったのか?

子犬の血統書発行を申請できるのは母犬の所有者だけです。
つまり血統書を申請するのはペットショップではありません。

日本で一番大きな血統書発行団体『ジャパンケネルクラブ(JKC)』の場合、
各愛犬クラブが取りまとめをして血統書発行の手続きをするため、
クラブによって申請書がJKC本部に届くまでのインターバルには違いがあります。

簡単に言えばマメに申請をあげるクラブと、
月1回ぐらいしか申請をあげないクラブでは
血統書発行までにかかる日数に差がでる、ということです。

そのため、ショップで展示販売されるまでに血統書が間に合わなかった場合
「○月○日頃」という記載がされてしまうわけです。

……と、ここまでは何も問題がなくて血統書の発行が遅れているケースです。

問題があるから血統書が遅れているかもしれない

厄介なのは犬舎に問題があって血統書の発行が遅れているケースです。

血統書を発行させるためには子犬の登録費用を
申請書と一緒に愛犬クラブに支払わなければいけないのですが、
この費用が捻出できず血統書の申請が遅れてしまう犬舎が少なからずあります。

「来月、まとまった現金が入る予定があるからその時に…」などと
血統書の発行を先送りにしている犬舎の場合、
そのあてにしていた現金が入って来なかった時は
血統書発行がますます遅れることになるわけです。

最悪の場合、血統書を発行しないまま経営が破綻することもあるのです。

また、それだけ経済的に厳しい状況で犬の繁殖をしているわけですから、
犬の管理にきちんと費用がかけられていないことも多々あります。

犬がたくさんいれば当然それだけエサ代はかかりますし、
それ以外にも狂犬病予防接種、伝染病予防接種、衛生管理にかかる費用などなど、
人件費も含めれば毎月の経費というのはバカにならないものがあるでしょう。

血統書申請の費用が捻出できないくらいですから、
それら必要経費のどこかにシワ寄せがいっていたとしても不思議ではありません。

単純に申請手続きが遅れているだけならよいですが、
「頃」の誕生日には予想もしなかった犬舎の実情が隠されていることもあるのです。