犬の介護が必要になる時、あなたに体力は残っていますか?

犬を飼おう――!
そう決意した日に、いつかその犬が年老いて介護が必要になるかもしれない、
なんてことはあまり考えませんよね。

もちろん、きちんと最後の最後まで面倒をみるし、
高齢で介護が必要になったらしっかりやります!
と考える飼い主さんがいないわけではありません。

しかし、子犬の頃の可愛くて、手がかかって、ドタバタと毎日が過ぎていく楽しさ。
成長して成犬となり、いつの間にか犬がいて普通に暮らすことが当たり前になっている日常。

これらを繰り返していく中で、いつしか「介護」という現実は
ぼんやりと消えてしまうのかもしれません。

しかし、人間が年をとるように、犬も確実に年老いていくのです。

犬の長寿がもたらした犬の介護

その昔、犬を介護するという感覚は、そうそうあるものではありませんでした。

それはなぜなのでしょうか――?
簡単にいえば、介護が必要になるほど長生きしなかったからです。

しかし、現代においては犬という存在の定義が家畜から家族の一員へと変わり、
栄養バランスの整った食事や高度な動物医療などが、犬の寿命を劇的に延ばしています。

これは人間の寿命が延びているのと同じ理屈ですから、驚くようなことではありませんよね。

人間だって、かつては人生50年なんて言われていた時代があります。
それがいまや80オーバーなんて珍しくもなんともない高齢化社会。

介護の必要なお年寄りが増え続けているように、
介護の必要な老犬が増えていくのはある意味必定なのでしょう。

介護の可能性を考えた犬種の選択

そんな風に、いつか愛犬を介護する日がくるかもしれないと考えたら、
犬種の選択が変わると思いませんか?

好きな犬種と暮らしたい――その気持ちはわかります。
しかし、たとえば60代の夫婦がリタイヤと同時に犬を飼い始めたとします。

昔から大型犬との暮らしを夢見ていたから、それをようやく叶えたわけですが、
もしも10歳を過ぎた犬に介護が必要になったとしたら、飼い主は70代に突入しています。

自分も年老いていく体で、30kg以上もあるような大型犬を散歩やトイレ、
食事のたびに支えることは容易なことではありません。

お子さんやお孫さん、もしくは周囲の誰かが手伝ってくれる環境であれば別ですが、
果たして10年後の状況をきちんと読みきれるものでしょうか。

もし、犬の介護が必要になったときに、周囲に手伝ってくれる人がいなかったとしたら?
そして、夫婦のどちらかまでもが要介護の状態になったら?

この時、犬と人両方の介護は無理だから、
という理由で手放されるのは、100%『犬』なのです。

いつだって犬の側には選択権などありません。
人間が決めた通りの運命を受け入れるしかないのです。


そんなオーバーな、と思うかもしれませんが、こういう状況はすでに始まっています。