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日本犬の展覧会はなかなか楽しい

この記事の目次

日本犬の展覧会には独特の雰囲気があります。

何も知らない人が遠くから見た場合、
「多勢の人が集まって競りでもやってるのかな?」と思うほど、
ある程度年齢のいった男性の比率が高いのです。

もちろん若手や女性、時には子どもも混ざっていますが、
多くは中年から高齢の男性が多く、オシャレな雰囲気とはほど遠いものがあります。

しかしその分、和犬に合った地味だけれど渋い部分もあり、
これがなかなかおもしろいのです。

同じ一張羅でも…

JKCのドッグショーでタキシード姿やドレス姿のハンドラーを見た後に
日本犬の展覧会にやってくると、普段そのままの姿に驚きます。
しかし、それは悪いものではありません。

展覧会においての主役は本来『犬』でなければいけないはず。
それをケバケバしいハンドラーが引いていたのでは、
時に犬より人に目がいってしまうこともありますが、
日本犬の展覧会ではまずありません。

時々、これは一張羅だと言って
びっくりするほど派手なジャージの上下を着ているオジサンを見かけますが、
それはそれでご愛嬌と思えるほど、オジサンだらけの世界には
一種独特の雰囲気が漂っているのです。

リードと引き綱

日本犬の展覧会では、普通の首輪とリードを使っている人もいますが、
引綱を使う人もたくさんいます。

柴犬などはどちらで引いていてもあまり違いはありませんが、
秋田犬のような大型の和犬になると、見た目にはずいぶんと違いがあるような気がします。

普通の首輪に普通のリードをした犬は、どこか家庭犬っぽいイメージがぬぐえません。
しかし、渋い色合いの首輪に立派な引綱をつけた秋田犬は、
それだけで犬の格がぐっと上がるのではないかと思えるほど
マッチしていて、とても姿が良くなるのです。

引綱は生成りに近い白から、朱色、黒色などいろいろありますが、
綱の形状そのものが『和』を連想させるためか、日本犬の姿をぐっと引き立てます。

長年展覧会に出陳して数々の名犬を生み出してきた犬舎などが、
ここ一番の時に使う立派な引綱はまるで芸術品のようで、
全国展の一席を獲得するような犬にふさわしい風格があります。

素人でも挑戦できる

JKCのドッグショーに比べると、日本犬の展覧会の方が
素人が挑戦しやすいことは間違いありません。

ハンドラーはある程度経験がなければ、緊張する場面で
犬をきちんと制御することは難しくなりますが、
本気で練習することで今までに経験がなくても、出場できる機会はあるのです。

若い女性が緊張の面持ちで初めての展覧会に挑戦した時などは、
リングの外にいる観客や他の犬種の出場者などが「がんばれ!」
と声援を送る姿は見ていてとても楽しいものです。

ドッグショーもそういう雰囲気があれば、少しは敷居が低くなるのに、
とついつい思ってしまいまうのですが……。