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まるでサイレン!動物病院の待合室で大騒ぎしたシュナウザー

この記事の目次

2匹いるミニチュアシュナウザーのうちの1匹は、僧帽弁閉鎖不全症と診断されて以来、毎月定期健診に通っています。
ところが極度のビビリ性のこの犬は、動物病院が大の苦手。
車に乗せたとたんにガクガクブルブル震えてしまい、いつものジャイアン気質は鳴りを潜めてしまいます。

ドッグランや公園では他所のワンコと遊べても、動物病院の待合室では絶対にムリ。
とにかく神経過敏な状態になり、ちょっとした物音でもキャンキャン騒いでしまうから困りものです。

滑り出しは静かな待合室

つい先日、毎月恒例の定期健診に行ったときのこと。
動物病院に入っていくと、待合室に3組の飼い主さんとワンちゃんがいました。
これがびっくりするほど、3匹は揃いも揃っておりこうさん。
どの子もみんなとても静かに飼い主さんのお膝に座っています。

我が家のシュナさんも珍しく、キャンキャン鳴かずに抱っこされてはいたのですが、だからといって3匹のようにくつろいでいたわけではありません。
いまにも叫びだしたいところを、どうにかこうにかこらえているようなギリギリの状態でした。

3匹それぞれの飼い主さん達も、そんな我が家のシュナさんの様子には気づいていて、なるべく刺激しないようにと、みなさん穏やかに見守ってくださったんですね。
もしかしたら過去に我が家のシュナウザーと遭遇していて、キャンキャン騒ぐ様子を目の当たりにしたことがあるのかもしれません。
とにかく、なんとか待合室に慣れさせたい一心で、私はシュナをなだめたりすかしたりしながら、診察の順番を待っていました。

危うい均衡がもろくも崩れた瞬間

待合室に入ってからしばらくたっても、シュナさんは珍しくキャンキャン騒ぎませんでした。
しかし、相変わらずピーピーと鼻を鳴らし、ガタガタと体が震えています。

このまま診察の順番がまわってきてくれ!と内心で祈っていたときのこと。
順番を呼ばれた老婦人がミニチュアダックスを抱き上げ、私とシュナウザーが座っている席の前を通り過ぎていきました。
とても大人しく抱っこされていたミニチュアダックスでしたが、通り過ぎざまシュナに向かって小さな声で「ワン」と吠えたのです。

いやいや、吠えたと表現するほどの声ではありませんでした。
本当に小さな声でちょっとだけ鳴いてみた、という程度の小声だったんです。

ところがその瞬間――
キャンキャンキャンキャンキャンキャン!!!
我が家のシュナさんは堰を切ったようにわめき散らしました。
まさに、コップのふちギリギリまで注いだ水の表面張力がたった1滴の水によって失われ、水があふれだしてしまったがごとく、そこから先はもう止まりません。
こりゃダメだといったん待合室を出て外で落ち着かせることにしました。

パニックで大騒ぎしてもオヤツは食べるシュナ

その後は外のベンチに腰掛けて待っていましたが、シュナさんは興奮のあまりゼェゼェと息を荒げています。
今日こそは待合室に最後まで座っていられるのではないかと期待してしまいましたが、そう甘くはありませんでした。

そこへ、診察を終えたミニチュアダックスフンドと老婦人が会計を終えて自動ドアから出てきました。
「うちの子のせいで興奮させることになっちゃって、本当にごめんなさいね」と謝られてしまいましたが、とんでもありません!
あんなにも静かだった待合室を大騒ぎの現場にしてしまって本当にごめんなさい、と謝らなければいけないのはむしろこちらです。

ちなみに。
それほどまでにガクガクブルブルして大騒ぎをしたシュナですが、帰り際に受付のお姉さんからもらったオヤツはしっかり食べていました。