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犬の血圧

この記事の目次

「いやぁ、40代を過ぎた頃から血圧が高くなっちゃってねぇ――」
こんなセリフを一度や二度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
血圧に問題があるといえば、人間の場合はたいていが高血圧。
もちろん低血圧にも問題はありますが、現代人にとっての悩みは圧倒的に高血圧のほうが割合を多く占めているようです。

さて、そんな悩ましい血圧の問題ですが、犬にも高血圧や低血圧があるってご存知ですか?
人間も犬も同じ哺乳類ですから、当たり前といえば当たり前のことですが、犬の血圧は人間の血圧に比べると、なんだかあまりピンときません。

犬にとっての正常な血圧とは

犬の正常な血圧値

  • 最高血圧 100~180mmHg
  • 最低血圧 60~120mmHg
     (※mmHg(ミリメートルエイチジー):血圧を示す単位)

この数値だけを見ると、なんだか幅が大きすぎてあまりピンとこないでしょうか。
これは、動物病院で血圧を測る場合、大興奮してしまうワンちゃんが多いことから、これだけの幅がでてしまうんですね。
そんなわけで、動物病院においてはこの値の中に数値がおさまっているから正常、という判断をするのではなく、血圧値が異常に高すぎないか、もしくは異常に低すぎないかという部分から判断していくのだそうです。

犬の血圧異常には必ず原因が隠れている

高血圧

犬の血圧値が高血圧に振れている場合、そこには必ずといっていいほど原因となっている疾患が隠れています。
心臓病、腎臓病、副腎といったホルモンに関わる病気の可能性があるため、もしも今までにそういった疾患があると診断されていないワンちゃんであろうと、血圧値が高い場合はこれらの病気の可能性を考える必要があります。

低血圧

犬の血圧値が低血圧に振れている場合は、高血圧より原因が特定しやすい場合が多いです。
心臓病、甲状腺、副腎といった内分泌系の疾患、もしくはなんらかの理由によって出血している場合であり、これらの原因を治療することにより、かなりの確率で改善することが可能です。

低血圧にしろ高血圧にしろ、普段と何も様子は変わらないのに、血圧値だけが異常だ、ということはまずありません。
高低のどちらに値が傾いているにしろ、なにがしかの症状が出ているはずです。

高血圧であれば食欲不振や胸水によるセキ、もしくは瞳孔が開いたままになっているなどの症状がみられます。
また低血圧の場合は元気がなくなる、皮膚が乾燥する、寒がりになるといった症状などがみられるでしょうか。

いずれにしろ、いつもと違うと感じたら、それは犬の体内で何かが起きている証拠です。
そのまま放置せず、かならずかかりつけの動物病院を受診して、健康状態を確かめる必要があるでしょう。

犬も年を取ると高血圧になりやすい

私たち人間が年を取ると血圧が上がりやすくなるのと同じように、犬もシニア期に入ると血圧が高くなりがちです。
とはいえ老犬の高血圧にもやはり原因となる基礎疾患があり、心臓病、腎疾患、副腎皮質機能亢進症、糖尿病、甲状腺機能亢進症などがあげられるでしょうか。
老犬の血管は若犬のころに比べて弾力性が失われているため、血液が流れにくくなっているのです。
そして、血液をがんばって流そうとした結果、高血圧になりがちなんですね。

元気で長生きさせるためにも正常な血圧値を維持したい

愛犬が喜ぶからといって塩分の強い人間の食べ物を与え続けたり、食いしん坊だからとオヤツをばんばんあげて肥満体型にさせてしまえば、老齢による高血圧を悪化させてしまうことは間違いありません。
愛犬を喜ばせたいのは飼い主共通の願い。
しかし、安易に食べ物やオヤツを与えることは、命を縮める愚行でしかありません。
愛犬の健康は飼い主の手にゆだねられていることを絶対に忘れてはいけないのです。
そのためにも、犬にも高血圧や低血圧があることを意識しておくべきではないでしょうか。