川上犬を飼育したいと考える人に求められるものとは

川上犬とは長野県南佐久郡川上村で保護育成されている、
古くからの血を引く日本犬
です。

サイズ的には小型~中型ぐらいに位置しますので、
柴犬より大きいけれど四国犬よりは小さい、というイメージでしょうか。

狼の血をひくともいわれる川上犬を欲しがる人は、意外なほどにいます。

しかし、川上犬は他の犬種と同じように
ペットショップやブリーダーを経由して購入することはできません。

長野県の天然記念物に指定されている

柴犬、甲斐犬、紀州犬、四国犬、北海道犬、秋田犬は
国の天然記念物に指定されていますが、いずれも普通に購入することができます。

しかし、川上犬は長野県と川上村による
厳しい管理、審査がおこなわれるため、普通に購入することはできません。


つまりそれだけ、絶滅の危機に瀕しているほど頭数が少ないのです。

純血という定義が難しい犬

川上犬もかつては国の天然記念物に指定されていましたが、
数がどんどん減るとともに他犬種との交雑が進み、
もはや固定種としての質が維持できていないとの理由から
天然記念物指定を解除された経緯があります。

その後、信州川上犬保存会の努力により
再度川上犬を復活させるべく取り組みが始まり、
出来る限り純血種に近いものだけを交配に使うことで
川上犬としての質を保ったうえで絶対数を増やそうとしています。

しかし、交配に使われている川上犬であっても、
数の問題から他の血液が混ざったものを使わざるをえなかったのです。

ですから、何代も純血に近いとされるものだけで交配を重ね、
少しずつ血を煮詰めていくしか方法はないのでしょう。

そのため、川上村には「川上犬」という前提で飼育されている犬はある程度の数いますが、
その中で「これは間違いなく川上犬である」という認定――
すなわち県の天然記念物指定されている個体自体は、実はそう多くはありません。

そして、その狭い血液の中で現在も数を増やすべく努力が続けられているのです。
ですから、ペットショップで買えるような現状にはありませんし、
川上犬を飼いたいという希望者に対しては厳しい審査と指導、
それから管理がされることになります。

それでも川上犬を飼いたいなら…

川上村に行って「子犬を買いたいです」と言っても売ってもらうことはできません。

川上犬を飼育したいというウェイティングリストに名前を載せてもらい、
様々な条件を承諾したうえでなければ譲渡してはもらえないのです。

川上犬というのは昔ながらの気質を強く残した犬ですから、
誰にでも懐っこいわけではありませんし、
強い気質をコントロールしなければいけない犬種
です。

それらを承知の上で、やはり川上犬を飼育してみたいと強く希望するのであれば、
その希少な血液を後世に残していくということの意義をもう一度よく考え、
それから申し込みをするべきでしょう。