チベタン・スパニエルは高いところから周囲を見張る犬

チベタン・スパニエルを見て一目で犬種をあてられる人は、
かなり犬に詳しいと言えるでしょう。

それだけ日本においては珍しい部類の犬であり、
欧米においてもさほど人気が高いわけではありません。

しかし、知れば知るほどチベタン・スパニエルは魅力的な犬種なのです。

高い警戒能力を持つ犬

チベタン・スパニエルは、チベットにおいて
ラマ教の寺院で修行増らによって飼育されてきたという、偉大な歴史を持つ犬です。

しかも、ただ愛玩犬として可愛がられてきたわけではありません。

山の高いところに作られた寺院の、さらに高いところに上って
周囲をくまなく見張り、敵や狼が近づいてくると
同じように寺院で敵を撃退するために飼われていた
チベタン・マスチフに吠えて知らせたという、実に有能な働きをいしていました。

そして、この高いところから周囲を見張るという性質は、
現在のチベタン・スパニエルにも受け継がれているのです。

そのため、家の中でも高いところに上りたがりますし、
見知らぬ人や動物が近づいてくると警戒します
ので、
このあたりの性質はきちんと理解したうえで選ばなくてはいけない犬種です。

これを一律に「無駄吠え」と決めつけて叱るような飼い主に、
チベタン・スパニエルは向きません。

遠くを見張って警戒するという行動は、
チベタン・スパニエルの持つ能力の一つなのだ
ということを正しく理解しておきましょう。

マズルが詰まりすぎていないメリット

チベタン・スパニエルはマズルが長い犬ではありませんが、
かと言ってペキニーズなどのようにつぶれているわけでもありません。

そのため、気道に関する病気の心配はほとんどなく、
イビキをかきやすいなどの特徴もありませんので、
驚くほど健康な体を持つ犬
でもあります。

そういう意味ではマズルの詰まったパグやチワワなどよりも
ずっと飼いやすい犬種ともいえるのですが、
いかんせんブリーダーの数が少ないため手に入れるのは容易ではないでしょう。

他のペットや子どもとも上手にやっていける性格をしていますし、
運動そのものはあまり多くを必要としないため、
家庭の犬としてはなかなか良い素養をたくさん持っています。


そう考えると、飼育数が少ないことがなんだか惜しいような気もしますが、
一度ブームになって乱繁殖が始まると、犬種の特徴や健康は
あっけないほどに損なわれていくことになるでしょう。

となると、チベタン・スパニエルの性質や特徴、
健康な体を後世までしっかりと伝えていくためには、
知名度が上がらない方がよいのかもしれません。