種オスの安全性を確認することの大切さ

愛犬(メス)に子犬を産ませたいので、
オス犬を紹介してくださいと依頼してくる飼い主さんの中には、
交配料のことをきちんと考えていない人がいます。

もちろん交配料には犬舎によって差があり、同じ犬舎の犬であっても血統や毛色、
その他いろいろな理由から価格差がついていることは珍しくありません。

種オスを使うなら交配料が必要

飼い主さんなりに事前に交配について調べてから連絡してくる人は、
交配料について説明をしても、まず驚くことはありません。

厄介なのは単純に「2匹目はウチの可愛い○○ちゃんが産んだ子を飼いたい。
それにせっかく女の子に生まれたんだから、一度は出産を経験させてあげたい」
と平気で言ってしまうタイプの飼い主さんです。

――どういう犬との間に子犬を作りたいですか?
「できるだけ血統がよくて、毛色は一番人気の○○で、
なるべく体格の小さい可愛い顔の男の子がいいです!」

――それだと、交配料はおよそ5万円前後ぐらいですね。
もし外産のチャンピオン血統がご希望なら、10万から20万ぐらいというところでしょうか。
「ええっ!そんなに高いの!?もっと安い犬はいませんか?
できれば1万か、高くても2万円ぐらいまでで血統のいいやつ……」

こんな会話を交わしたのは一人や二人ではありません。
そして結局は掲示板か何かで見かけた「交配料5千円」
という募集に乗っかった飼い主さんもいました。

安全かどうかは最低限確認するべき事項

交配料が安い=悪い、というわけではありません。
しかし、安全性を無視しているから格安である可能性は考えるべきではないでしょうか。

たとえばPRA(進行性網膜萎縮症)
これは網膜の遺伝性疾患で、
現在小型犬の中で一番人気のトイプードルには重い症状が表れる病気です。

種オスにはきちんとDNA検査によってPRAクリアである証明がされている子と、
いない子がいることを念頭に置かなければなりません。


その他にもクリアの証明がほしい遺伝性疾患はいくつもあります。
GM1ガングリオシドーシスムコ多糖症フォンヴィルブランド病などなど、
DNA検査によってクリアの証明があればあるほど、
健康な子犬が産まれる確率は高くなる
でしょう。

また、犬ブルセラ症の検査についてもきちんと受けていてほしいものです。
それは種オスだけでなく、メス犬側にも言えることではありますが。

こういった検査の数々を受けさせていないからこそ、
交配1回5000円という価格設定が可能なのかもしれません。

値段だけを見てお得だと思ったら、大切な愛犬が病気に感染し、
さらには生まれてきた子犬には重篤な遺伝病が見つかった……。

こんなことになってしまったら、飼い主も犬も不幸になり、誰も幸せにはなりません。