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野菜の栄養素はどうすれば効率よく摂取させることができるのか?

この記事の目次

犬の手作り食で最も重要な栄養素はタンパク質――。
とは言え、タンパク質オンリーでいいという話ではありません。

五大栄養素でいうなら、
タンパク質>脂質>炭水化物>ビタミン>ミネラル
のバランスがとれている食事が最良
なのです。

そうなると、肉や魚だけではなく、穀物や野菜も
食材として上手に扱わなければいけませんが、
犬が元々は肉食獣よりの雑食動物であることを忘れてはいけません。

そう、犬は肉を消化することは得意でも、
野菜の消化はとても苦手な体のつくりをしている
のです。

どうして野菜は消化しにくいのか

そもそも、どうして野菜は消化しにくいのでしょうか。
それは、野菜を含めて植物の細胞には、
動物の細胞には存在しないセルロースという細胞壁があり、
それがとても固いから
です。

いわゆる、食物繊維というやつですね。
実は草食動物でさえ自力でこのセルロースを分解することはできず、
不溶性食物繊維として便で排出しています。

そして、その過程において長い腸を使ってゆっくりと栄養素を吸収しているわけです。
牛などは微生物の作用によってセルロースを発酵させて消化しますが、
これもかなり時間がかかる工程です。

そんな野菜(植物)ですから、肉食獣とほぼ同じ内臓の作り――
すなわち短い腸しかもたない犬が野菜を上手に消化できるわけがありません。


そこをきちんと理解していないと、
せっかく栄養バランスを考えて食材を選んだとしても、
栄養がろくに吸収されないまま排出されてしまうことになるでしょう。

野菜をきちんと消化できる形に

せっかくなら野菜の栄養素も余すところなく犬の体に吸収させたいところですよね。
しかし、単純に生野菜サラダのような形で加えてみても、
そのまま排出されてしまう
のは目に見えています。

それを避けるためには、セルロースをどれだけ壊せるかにつきるでしょう。

まず第一には「煮る」という一手間を加えてセルロースを溶かします。

キャベツやニンジンなどは生の方がコリコリとして食感的に犬は好むでしょうが、
上記の理由から食材として加えるなら煮たり蒸したりして加熱してから、
さらにすりつぶすことでより栄養の吸収率を上げることができます。


しかし、加熱により生野菜に含まれる酵素が
すべてダメになってしまう
のはなんとも惜しいものですよね。

そこで、時には生のまま食べさせてもよいのですが、
その場合も出来る限りすりつぶして加えることをおすすめします。


細かく刻むという方法もありますが、
すりおろす方がセルロースはより細かくなりますので、
断然こちらの方が消化しやすくなります。

大根おろしを食材に加える場合は、辛味成分を犬が嫌がったり、
胃に刺激を与えてしまうことがありますので、
少量から加えて様子をみた方が安全です。

消化できない野菜は嘔吐を誘発しやすい

一手間加えるのを面倒臭がったり、
犬が喜ぶからという理由だけで生の野菜をばんばん食べさせていると、
消化できずに嘔吐してしまうことは珍しくありません。

消化できないと胃腸が判断したから吐き出しているわけです。

そのことをきちんと理解したうえで、
野菜を上手に利用して栄養バランスの整った食事を用意してあげましょう。