気をつけて!ムカデには毒があります

ムカデ――。
見た目も動きもなかなかにインパクトがあり、ゴキブリと同じく出来ることなら見かけたくない虫、というか節足動物です。

そんなムカデはただ気持ち悪いだけならまだいいのですが、困ったことに咬み付いてくるから非常に厄介。
しかも、その牙には毒があります
そして、動くものにはついちょっかいをかけたくなる犬たちは、けっこうムカデに咬まれてしまうんですよね。

ムカデは近づいてきたものを咬む

ムカデは蚊などとは違い、積極的に犬や人間を咬みにくるわけではありません。
近づいてきたものに手当たり次第咬みつく性質があるのです。
こちらは近づきたくないと思っていても、気づかずに触れてしまえば咬まれてしまうわけですから、実に厄介な存在なんですよね。

たとえば犬が草むらに足を踏み入れたとき、たまたまそこにムカデがいたとしたら、足を咬まれてしまうといった具合です。
だからこそ、壁を這っていたムカデにちょっかいをかけた犬が鼻先を咬まれるという事態は、自業自得と言ってしまえばそれまでなのですが……。

ムカデの毒

ムカデの毒は牙の根元から分泌されるため、咬まれてもあまり深部まで毒はまわりません
そして毒の成分は様々な物質から成る酸性の複合体です。

  • ヘモリジン(膜孔形成タンパク)
  • サッカラーゼ(酵素の一種)
  • タンパク分解酵素
  • ヒスタミン(アレルギーを起こす化合物)
  • ヒアルロニダーゼ(酵素の一種)
  • p-ベンゾキノン誘導体(有機化合物)

上記の通りタンパク質や酵素が多く含まれているので、実は熱に弱いという性質があるんですね。
そして、解毒薬は存在していません。
つまり、手っ取り早く解毒をするなら、咬まれた患部を43℃以上に温めてタンパク質や酵素を変性させる、という手段が考えられます。

具体的には43℃以上のお湯で洗い流す、という方法なら家庭でもできそうですよね。
しかし、43℃はけっこう熱いお湯。
果たして犬の体に43℃のお湯をかけてじっとしていてくれるかどうかは、なんとも言えないところです。

さらに困ったことに、40℃程度では毒がかえって活性化してしまいますし、冷やすのも逆効果
というわけで、いろいろいじった挙句に悪化させるよりは、ムカデに咬まれて患部が腫れてしまったら、すみやかに動物病院を受診するのが一番安全なのではないでしょうか。

アナフィラキシーショックに注意

ムカデの毒は、実はそれほど強いものではありません。
ハチに刺されるぐらいならムカデに咬まれたほうがまし、と言われることもあります。

しかし、だからといって油断は禁物。
なぜなら、体質によってはアナフィラキシーショックを起こすかもしれないからです。

アナフィラキシーショックとは、急性のアレルギー反応のこと。
気管などが腫れて呼吸困難を引き起こすこともありますし、ショック症状で血圧が急激に低下してしまった場合は、命を落とすこともあります。
愛犬がアレルギー体質の場合は、ムカデの毒を甘くみるべきではありません。
特に咬まれるのが二度目だと、一度目に咬まれたときに体内で形成された抗体が反応してショック状態を引き起こしやすくなるのです。
すでに愛犬がムカデに咬まれた経験をお持ちの飼い主さんは、特に気をつけてください。

ムカデはじめじめした暗い場所が大好き

ムカデは肉食。
家の中でムカデを頻繁に見かけるとしたら、それは室内にエサとなるゴキブリやダニ、クモなどがいるという証拠です。
つまり、ムカデを家の中から追い出すためには、ゴキブリの駆除やダニ退治といった、エサそのものを追い出す作業が必要なのです。

とは言え、やはりムカデが多いのは圧倒的に屋外。
排水溝や草むらはもちろんのこと、エアコンの排水ホース付近も湿っていて、ムカデが発生しやすいので注意が必要です。
屋外で犬を飼っている場合は、犬小屋の近くの草を刈るだけでも、ムカデの被害はぐっとおさえられるのではないでしょうか。
また、植木鉢などもムカデが潜みやすいため、犬小屋の近くには置かないほうがよさそうです。

殺虫剤を使いたくないときは

ムカデは殺虫剤で駆除することができます
しかし、愛犬が触れる可能性のある場所には、あまり化学的な殺虫剤はまきたくありませんよね。

そんなときは、ムカデが嫌がるハッカやヒノキを利用してみてはいかがでしょうか。
殺虫剤ほどの効果はないにしても、こまめにハッカやヒノキの精油で作ったスプレーを噴霧すると、ムカデが近づきにくくなります。