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日本テリアはその名の通り日本原産のテリア

この記事の目次

日本犬といえば柴犬、紀州犬、四国犬、秋田犬、北海道犬、甲斐犬が一般的。
これは、日本犬保存会がこの6犬種を「日本犬」と定めていることが大きく影響しているのではないでしょうか。
しかし、この6犬種以外にも日本犬に分類されている犬種があります。

たとえば狆(ちん)
そして日本テリアも日本が原産の犬種です。
この日本テリアという犬種名を聞いて「あ、あの犬ね」と即座に姿を思い浮かべることができる人は、おそらくかなりの犬好き。
犬種図鑑などをしげしげと眺めたことがある人ではないでしょうか。

日本テリアは見た目のインパクトがすごい!

日本テリアの最大の特徴は、なんといってもその不思議な見た目です。
胴体や四肢といったボディー部分は真っ白なのに、顔は真っ黒。
おそらく、日本テリアの実物や画像を見たことがない人にとっては、この説明だけではなかなかピンとこないかもしれません。
もしもジャックラッセルテリアという犬種をご存じであれば、その胴体を真っ白にして、頭部のみを黒く塗りつぶしていただければ、ほぼ日本テリアが完成します。

なんだそれ、そんな犬が本当にいるの!?と思われるかもしれません。
でも、本当にいるんですよね。
まあ、厳密に表現するなら頭部は必ずしも黒一色というわけではありませんが。
鼻先に白いブレーズが入っているものや、焦げ茶色、薄めの茶色と色味のバリエーションはそれなりにあるものの、胴体と頭部の色がくっきりと分かれているところは共通した特徴です。

日本テリアの成り立ち

日本テリアという名前がついていますが、古来から日本に住んでいる土着の犬というわけではありません。
1700年代にオランダからスムースフォックステリアの祖とされている原種犬が長崎に入ってきたものを、小型の在来犬と交配し、それを神戸で改良したものが日本テリアの祖とされています。
つまり、日本テリアのフォルムがジャックラッセルテリアに似ているのは、あながち偶然ではないわけですね。

なんにせよ、そういった成り立ちで作出された日本テリアが最初に流行したのは、作出の地である神戸。
神戸テリア、お雪テリア、ミカドテリアといった愛称で呼ばれる抱き犬として人気となりました。

とは言え、犬種として固定されるのはまだ先の話。
計画繁殖によってタイプが固定されるのは1920年代という昭和初期のことです。
そして1930年代に入るとブームに火がつき、日本テリアという犬種の改良が進みました。
それによって犬種としての質が高まっていくことになるのですが、残念なことに第二次世界大戦により、そういった動きが吹っ飛ばされてしまいます。

その結果、戦争のせいで日本テリアはその数が激減し、一時は絶滅の危機に瀕してしまうことに。
しかし、戦後になって日本テリアの愛好家が努力を重ね、その種を保存することができて今に至っているのです。

日本テリアのサイズや特徴

日本テリアの体重はおおむね4~5kgで、体高(地面から肩までの高さ)は30~33cm程度です。
被毛がスムースコートということもあり、ちょっと足が長めのジャックラッセルテリア、といったところでしょうか。

前述した通り、四肢を含めた胴体部分の被毛は真っ白でありながら、頭部には見事に色つきの毛が生えています。
そうは言っても、首のあたりは白から黒へのグラデーションになっているのでは?と思われがちですが、これがびっくりするほどバツっと色が分かれているんですね。
全身真っ白の犬が黒いペンキに顔を突っ込んでしまったのか!?というぐらい、そのセパレートっぷりは実に見事です。

尻尾は断尾される習慣があったことから、画像などを検索しても、あまり尻尾の全容を確認することはできません。
しかし、現代は断尾の是非が問われる時代。
おそらく断尾をしていない日本テリアもいるでしょうが、そもそも日本テリアの数がものすごく少ないこともあり、断尾をしていない個体にはなかなかお目にかかることができなさそうです。

ちなみに、胴体が真っ白なので尻尾も真っ白だろうと想像しがちですが、そうとは言い切れません。
尻尾の部分にだけ頭部と同じような濃い色がついていることもあります。

日本テリアの性格

日本テリアはテリア種にしては比較的おとなしいとされています。
しかし、だからといって大人しい犬というわけではありません。
テリア種らしく動くものを追いかけたくなる習性はしっかりと残っていますし、かつて抱き犬として人気があったからといって、おとなしくじっと抱っこされているような犬ではないのです。
明るく活発で遊び好き。
そして、テリア種らしく激しく動き回り、ぴょんぴょんジャンプすることも大好きです。

日本テリアの性格について調べると、テリア種の中ではおとなしく、子どもやほかの動物と仲良くできます、と書かれているものもありますが、こういった記述を都合よく解釈すべきではありません。
かつて抱き犬として人気があろうがなかろうが、犬は牙をもつ動物。
そしてテリアという犬には獲物を追いかけたくなる性質があることを、常に肝に銘じておくべきです。

日本テリアは希少でなかなか手に入らない

さて、そんな日本テリアですが、飼ってみたくてもなかなか手に入れることができません。
小型犬がブームの日本において人気があるのはトイプードルやチワワ、ポメラニアンを中心とした西洋犬種ばかり。
そういった背景もあって日本テリアは圧倒的にブリーダーの数が少ないのです。
ペットショップで展示販売されることはほぼ皆無ですし、ブリーダーのもとにでさえ、常に子犬が産まれているとは限りません。

本気で日本テリアを飼いたいなら、まずはブリーダーを探すところから始める必要があります。
さらには価格についても安いとはいえず、20万円を下ることはない、と覚悟しておくべきでしょう。