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犬を叩くという行為について

この記事の目次

犬が家族の一員として暮らしていると、
ときには「こらっ!」と叩いてしまうこともありますよね。

「犬は褒めて育てる」ということは重々理解しているけれど、つい…、
という飼い主さんも少なくありません。

また、「褒めるばかりではダメ、ときには厳しく罰を与えることも必要」
という意見もあるようです。

確かに、その通りなのかもしれません。
ただし、犬に「罰」という概念があれば、の話ですが……。

叩くタイミングが遅すぎると伝わらない

犬は、人間に比べるとかなり痛みに強い生き物です。
つまり、叩いたり殴ったりすることは、痛みで犬を支配できているわけではないんですね。

じゃあ、遠慮せずにバンバン叩いてもいいのか?といえば、それは違います。
意味もなく叩いたり蹴ったりすれば、痛くても痛くなくても
それはただの暴力であり、まごうことなく虐待行為です。
絶対に許されるものではありません。

では、正しく叩く、ということはありえるのでしょうか?
仮に何か悪いことをしているのを止めさせるために叩くのだとしたら、
その場合は叩くというより、体をつつく程度(ボディータッチ)の強さで充分です。

そしてなによりも重要なのは叩くことではなく、そのタイミング。
やってはいけないことをしているまさにその瞬間か、
せめて1秒以内にはボディータッチが完了していることが必要
です。

しかし、たいがいの飼い主さんは
「あっ!○○ちゃん、何やってるの、ダメでしょう!」ゴチン!
というタイミングで叩いてしまっています。
これではあまりにも遅すぎます。

遅すぎる=犬はなぜ叩かれたのかわからない……
となるのは必至ですが、話しはそこで終わりません。

一番怖いのはその結果として、犬からの信頼を失ってしまうことなのです。

犬は、信頼できない飼い主を真のリーダーとは認めてくれません。
つまり、しつけるつもりで叩いたはずなのに、
しつけからは程遠い関係へとどんどんずれていってしまうのです。

飼い主の手の役割

飼い主の手は、犬にとって優しくなでてくれる素敵なものであってほしいものです。
なぜなら、抱き上げるときもゴハンを与えるときもオモチャを渡すときも、
そこにはいつも「手」が介在するからです。

そんな素敵であるはずの手が
「理不尽に自分を殴るかもしれない」という目をして犬が見ていたら、
その犬は果たして本当の意味で飼い主のすぐ近くでリラックスできるでしょうか?

心の底からリラックスすることができない犬が、
飼い主の理想とするいい子になれるはずがありません。

飼い主さんの手は、愛犬にとってこの世で一番大好きな部分であってほしいものです。