ある日突然、犬の顔がパンパンに腫れた!
ある日突然、愛犬の顔がパンパンに腫れていたらどうしますか?
部分的にぷっくりと…、という虫刺されのようなレベルではなく、
面相が変わるほど顔面全体が腫れた状態です。
「こんなおもしろい顔、滅多にないから撮影してネットにアップしよう!」
などと考えたとしたら、確実に飼い主失格です。
なぜなら、その状態はシャレや笑いで済ませてはいけない、
アナフィラキシー反応を起こした状態だからです。
急性アナフィラキシーとは?
アナフィラキシーとは全身に起こるアレルギー反応のことです。
症状は様々ですが、アレルギー反応を引き起こすまでの時間は
2つのタイプにわかれます。
一つは急性のアナフィラキシーショック。
こちらはアレルギーの原因となる何らかの抗原が体内に入った後、
数分から30分以内という早い時間で起こり、症状はかなり激烈です。
血圧の急激な低下、痙攣、嘔吐、脱糞、放尿など
体のコントロールが効かなくなるばかりか、意識は混濁して体は虚脱し、
そのまま昏睡して死亡することもあります。
早急に治療をしなければ手遅れになる可能性が高いでしょう。
もう一つのアナフィラキシー
もう一つのアナフィラキシーは急性に比べると発症が遅れるタイプで、
抗原が体内に入ってからおよそ30分~2、3時間経過した頃に症状が表れます。
前述の顔がパンパンになったのはこの状態で、
血管から漏れ出た血漿(けっしょう)が顔を腫らしているのです。
もちろん顔だけではなく、皮膚全体にジンマシンの症状がみられることもあります。
この状態はヒスタミンが末梢神経を刺激しているため、
ヒスタミンをおさえる治療をすれば痒みはおさまりますし、
パンパンに腫れた顔も元に戻ります。
このように急性のアナフィラキシーショックと違い、
こちらは症状そのものが直接死亡につながるわけではありません。
しかし、だからといって楽観視することは危険です。
顔が腫れあがると同時に気道を圧迫してしまう可能性があるからです。
小型犬はもともと気道が細いですし、
頭短犬種にいたっては気道がふさがりやすく、
それが腫れたとしたら息苦しさでもだえ苦しむかもしれません。
呼吸が苦しくてもがくうちにソファーなどの上から落下でもしようものなら、
怪我をする可能性だってあるでしょう。
愛犬の体質を知っておく
アナフィラキシーの原因になる抗原としては
ワクチンや抗生物質、ハチの毒などが有名ですが、
もちろんそれだけではありません。
特定の食べ物や素材などに反応する場合もあるのです。
普段から皮膚が赤くなりやすい、花粉症がある……などなど、
うちの愛犬はアレルギー体質だと感じている場合は要注意です。
少しでもおかしいと感じることがあったら、
かかりつけの獣医さんでアレルギーの検査をしておいた方がよいでしょう。
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