犬の運命は人間がにぎっている
犬の寿命は体格や犬種、飼う環境などによって一律ではありません。
驚くほど長生きする犬もいれば、あっという間に死んでしまうこともあるでしょう。
それでもやはり、犬を飼うのであれば飼い主には10年以上という長いスパンにおいて、
責任を持ち続けなければいけないという事実を忘れてほしくありません。
ところが、どうも犬を飼いたい衝動ばかりが先にたつのか展望が甘くなりがちで、
その結果犬にとっても飼い主にとっても不幸な事態を招いてしまうことがあるのです。
生活の状況が変化する可能性を考えていますか?
せっかく犬を飼ったものの、生活環境が変わってしまうことで
犬を手放すことになる飼い主は珍しくありません。
それはなにも、一人暮らしの飼い主だけの話ではないのです。
両親と子どものいる家庭であってもそれは例外ではなく、
例えば、犬を飼ったばかりの頃には夫が転勤になったら単身赴任をしてもらい、
妻子は家に残るから問題ないと言っていた家庭がありました。
ところが結局一緒に行くことになり、
犬のもらい手を探しているが全然見つからないと泣きついてきた飼い主がいます。
お子さん達は犬を手放すことを泣いて嫌がっていましたから、
それでもということは、何かしらの事情があったのでしょう。
しかし、犬にしてみればとんだとばっちりを受けたことになります。
そしてある意味、お子さん達も……。
こんなケースもあります。
婚約していた二人が同棲中に犬を飼い始め、
結局破談になった挙句、両方から引き取りを拒否された犬がいました。
この子は私たちの子どもです!と言っていたぐらいですから、
どちらかが連れていくと思っていたのですが、
結局それは適わずとても後味の悪い顛末となったのです。
犬は飼い主が決めた運命を受け入れるしかない
犬を飼う時には、その生涯にわたって一緒に暮らせるのか、
途中で何か事情が変わってしまう可能性はないのかを
しっかり考えなければいけません。
もちろん、10年後なんてどうしているかはわからない!
と反論したくなる人もいるでしょう。
しかし、その状況の変化によって割を食うのは結局犬なのです。
なぜなら、犬は飼い主が決めたその先の運命を受け入れるしか道がないからです。
ですから、どうしても飼い続けることができないなら、
出来るだけ良い環境へ移ることができるよう、
飼い主は最大限の努力をしなければいけないはず。
ところがその義務を放り出して、
他人の善意にまる投げしてしまう飼い主がいることは残念でなりません。
一番良いのは飼い主が最初から最後まできちんとその犬の生涯に責任を持つことです。
しかし何らかの事情でそれが適わないのであれば、
セカンドベストを目指す労力を惜しむべきではありません。
その覚悟がない飼い主に選ばれた犬の未来は、
結局のところ運任せになってしまうことを忘れないでください。
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