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強いリーダーがいてこそ能力を発揮できる犬

この記事の目次

犬は叱るのではなく、褒めて伸ばすことが大事――!
わりとよく見かけるフレーズですよね。

もちろん、これはその通りだと思います。
叩いたり怒鳴ったりするような、いわゆる恐怖で従わせた関係は、
飼い主と犬の間に信頼関係が築かれたわけではありません。


結果的に、そのような育てられ方をした犬は
萎縮しながら物事をおぼえるわけですから、能力の限界も低止まりになるでしょう。

となると、やはり褒めて伸ばしていくことが大切なわけですが、
どうもこの意味を取り違えている飼い主がいるような気がしてなりません。

叱るより褒めて伸ばすということは、叱って嫌々やらせるのではなく、
褒めることで自主的にやるように誘導していく、という意味。


ところがこれを何をしても叱らずに、ただ可愛い可愛いと褒めちぎるだけ、
と勘違いしている飼い主
がいるのですから困ったものです。

暴力ではない「怖さ」

基本的には犬を褒めることでやる気にさせる、というスタンスは大事です。

特にここ数年不動の人気を誇る小型犬種は、往々にして褒めて伸びるタイプの犬。
楽しくいろいろなことを覚えていくことで、
さらに感情表現が豊かな犬に成長する
のでしょう。

しかし、すべての犬種が同じ育て方で上手くいくとは限りません。
もちろんこれは、暴力で従わせた方がよい犬種がいる、と言っているわけでもありません。
トレーニングに関しては褒めて伸ばすことを基本にするのは
どの犬種においても変わりないことです。

そうではなくて、その前段階とでも言えばいいのでしょうか。
いわゆる、上下関係を強く意識する犬種の場合は、
やはり群れのリーダーとして飼い主がしっかりと君臨してやらなければいけません。

そのためには褒めるばかりでなく、時には正しい意味での「怖さ」が必要なのです。

古い犬種には強いリーダーが必要

たとえば太古からの血を強く残した日本犬。
特に北海道犬(アイヌ犬)や甲斐犬、四国犬などは強いリーダーを必要とする犬種です。

こういった犬種は非常に優れた身体能力と高い知能を有していますが、
一筋縄ではいかないところが特徴の一つ。

人間の命令に従うことを目的としたブリーディングによって作出された西洋犬種とは違い、
これらの犬は良い意味で人間に都合の良い改良があまり加えられていません。

その分、こういった犬種の犬は群れという犬本来の性質を強く意識しますので、
強いリーダーには従う反面、弱いリーダーはリーダーと認めない部分を残しています。

こういった犬種と暮らすのであれば、正しいリーダーに就任してこそ
「この犬種を選んで良かった!」と心から思える
わけですね。

その場の気分とノリで選ぶと後々後悔するだけでなく、
犬の側も能力を引き出してもらえず双方にとって不幸な結果になることも。

犬種を選ぶときには自分の身の丈と合っているのかを見極めることも大切なのです。