MENU

本当にできていますか?犬との正しい主従関係

この記事の目次

犬は群れを作って生きる動物です。
寂しいのは苦手ですし、基本的にかなりの甘えん坊なのは、犬と暮らせばすぐにわかりますよね。

そんな犬が最も幸せに生きられるのは、頼れる強いリーダーがいる群れの「下っぱ」になることです。

「え?でもうちの犬は家族にいばりたがるけど?」と思った飼い主さん。
あなたは間違いなく愛犬のリーダーではありません。
遊び相手、もしくはご飯を出してくれるお世話係であり、立場は犬より下に見られています。

犬にとって最高のリーダーは安心感を与えてくれる人

ところで犬にとっての頼れる強いリーダーとは、どのような人のことを言うのでしょうか。
「うちの犬は俺の命令ならなんでも聞く、聞かなかったら殴るからね」というジャイアン的なリーダーは、リーダーとしては3流以下です。

本当に良いリーダーとは、恐怖で支配して命令を聞かせるリーダーのことではありません。
この人の命令なら喜んで聞きたい、この人の言うことなら間違いない、と思わせることができるリーダーです。
要するに、犬に安心感を与えられる飼い主のことですね。

このあたりを勘違いしている飼い主が意外なほどに多いのには驚かされます。
犬に恐怖感を与えて言うことを聞かせる一方で、猫かわいがりのような溺愛ぶりを発揮してみせる・・・。
こんなことをしているうちは、犬に安心感を与えるなんて夢のまた夢ではないでしょうか。

これができないとリーダーとは認められていない

自分では良いリーダーになれているつもりだけれど、いまひとつ自信がない・・・、という飼い主さんもいることでしょう。
そこで、犬にとっての正しいリーダーになれているか、以下の事柄について検証してみてください。

名前を呼んだら一発で自分のもとに来る

何度も何度も名前を呼んだら来る・・・、ではダメです。
犬は信頼しているリーダーの呼びかけには即座に反応しますから、できていない場合は残念ながら真のリーダーとは認められていません。

犬の体はどこでも好きに触ることができる

頭や背中はなぜさせるのに、足先をつかまれるのは嫌がる。
これでは正しい主従関係ができていません。
犬が触られたくない足先や口吻を触ったりつかんだりしても、嫌がるそぶりがなければ合格です。

コマンドには即座に従う

何度も言わなければお座りや伏せをしないようでは、リーダーのコマンドとは言えません。
一応コマンドには従うけれど、遊びに夢中になっているときは聞こえないふりをされる。
この場合も、リーダーとしてはいまひとつ認めていられないと判断するべきでしょう。

強制的に仰向けにすると、リラックスした状態でじっとしている

かまってほしいときや甘えたいときに自分からお腹を出すのではなく、強制的に体勢をひっくり返して仰向けにしたとき、大人しくしていられるなら合格です。
あわてて起き上がろうとジタバタされてしまったら、残念ながらいまひとつ信頼されていません。

さて、結果はどうだったでしょうか。
全部できているなら、あなたは立派な飼い主――リーダーとして認められています。

できている項目もあればできていない項目もある――この場合は、残念ながらリーダーとしていまひとつ信頼されていません。

もしもすべてできていないとしたら、間違いなくあなたは愛犬にとってのリーダーではなく、お世話をしてくれる便利な使用人です。

良いリーダーがしてはいけないこと

こんなに可愛がっているのに、なんでリーダーとして信頼していないの!?とショックを受けるかもしれません。
しかし、それはあくまでも人間的な感覚であり、まさしく犬にとっての正しいリーダ像を理解していない証拠。
本当の意味で犬にとっての強いリーダーになるためには、以下のような行動は慎むべきです。

  • 遊んでほしい、オヤツを食べたい、散歩に行きたいなどといった犬の要求を、いつもすんなりと受け入れている。
  • コマンドを出したのに犬が言うことを聞かなくても、仕方がないと流してしまう。
  • 犬の体をさわろうとしたのに嫌がられたとき、嫌がることはしたくないので手を引っ込めている。
  • 人間用の食事の用意を始めると騒ぐので、先に犬にご飯を食べさせている。
  • ベッドやソファで一緒に寝ている。
  • オモチャやボールを使って遊ぶとき、犬がくわえたまま放さないとそのままにしているか、無理矢理取り上げている。もしくはどこかへ持ち去ってしまったらそのままにしている。

どうして飼い主は良いリーダーにならなければいけないのか

前項にあげた飼い主の振る舞いは、犬のほうがえらいと勘違いさせてしまう行動です。
「でもカワイイからつい・・・」などと言っているうちは、犬にとっての良いリーダーにはなれません。
「だったら良いリーダーになんてならなくてもいい」と開き直る飼い主もいますが、そもそもなぜ良いリーダーにならなければいけないのでしょうか?

それは、良いリーダーがいない群れ(家庭)で暮らす犬は、常に精神的なストレスを受けた状態だからです。

精神的にリラックスできない。
この状態が犬の肉体的・精神的健康に良い影響を及ぼすはずがありません。

飼い主が本当の意味で良いリーダーになることは、犬の健康に良い影響を与えることと同じことなのです。

犬はヌイグルミではなく生き物

愛犬のことを本当の意味で大切にしたいなら、ヌイグルミとして可愛がるのではなく、犬として正しく可愛がるべきです。
犬は生きている動物であり、私たち人間とは別の生き物であることを飼い主こそが自覚しましょう。