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犬の食生活に魚の刺身は必要か?

この記事の目次

犬にお刺身を食べさせてもいいの――?
手作り食で犬のご飯を作っていると、必ずいきあたる疑問ではないでしょうか。

実際のところインターネットなどで検索してみても、
大丈夫という意見もあれば与えない方がいいという意見もあり、判断に迷うと思います。

現代を生きる犬のお腹

犬なんだから何を食べても大丈夫!……とその昔の人々は考えていたようです。
腐った肉を食べようが、焼き魚の骨が混ざった残飯を食べようが、
犬なんだから腹を壊すはずがない、と。

もしかしたら、衛生管理が徹底できていなかった時代の犬は、
ある意味そのぐらいの強靭な胃腸を持っていたかもしれません。


ただし、それは人間だって同じこと。
抗菌、殺菌、滅菌などが当たり前になった現代人が
二昔ぐらい前の人々に比べて免疫力が弱くなったように、
犬たちだって同じです。

食事はドッグフードが中心となり、室内で暮らしている犬が圧倒的に多くなった今、
犬たちのお腹はかつての野犬たちほど「なんでも来い!」という状態ではありません。

刺身のとりあつかいは?

イカ、タコ、貝類などの刺身は消化に悪いから犬には与えない方がいいけれど、
マグロやカツオ、タイなどの刺身は大丈夫!
――と書かれているサイトを見かけることがあります。

これは間違いではありません。
しかし、説明が足りていません。

イカ、タコ、貝類などは刺身だろうが加熱処理をしてあろうが、
犬にとって消化の悪い食べ物なので与えない方がいい。


マグロやカツオ、タイなどは新鮮なものを少量程度なら食べさせてもよいが、
できればどんなに新鮮なものであっても加熱処理をして食べさせた方が安心である。

こんな風に書き換えたくなります。

「うちの子は毎日お刺身を食べていますが元気いっぱいです!」
と反論したくなる飼い主もいることでしょう。

それは、たまたまその犬が刺身として食べた食材にアレルギーがなく、
かつ細菌や寄生虫による食中毒を起こしていないだけのことです。
それがすべての犬に当てはまるわけではありません。

「生の食材を食べさせないと酵素不足になる!」という理由で
刺身を食べさせているのだとしたら、生食できる新鮮な鶏肉などを食べさせた方が、
元来肉食動物に近い犬の胃腸にはなおのこと適しています。


それに、酵素が目的だというのなら、
発酵酵素などのサプリメントを食事に混ぜて与えた方がずっと効率はよいはず。

飼い主の自己満足として刺身を食べさせたいならそうすればいいと思いますが、
焼いたり茹でたりという加熱処理をしてから与えた方が、
ずっと安全性は高くなる
ことは間違いありません。