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紀州犬には関東系と紀州系がある

この記事の目次

紀州犬には有色と呼ばれる茶色と黒が混ざったような毛色もいますが、
現在はほとんどが白毛をしています。

日本人は昔から白い毛の生き物を好む傾向がありますし、
紀州犬のすらりと足の長いフォルムは白毛の美しさを際立たせてくれます。

白毛の人気が高いのはそのあたりが影響しているのかもしれません。

紀州犬の強い気質

本来、イノシシを狩るための猟犬だった紀州犬は、
性質の柔らかい犬ではありません。

イノシシを恐れずに立ち向かう強い気質と飼い主への忠誠は、
当然のことながら誰にでも懐くという愛玩犬の資質とはかけ離れたものです。

それをきちんと理解せずに飼ってしまうと、
他人に噛みついたりして事故を引き起こしてしまうことになるでしょう。

ぱっと見は落ち着いて冷静な顔をしている紀州犬を、
そのままおとなしい犬だと勘違いしてはいけないのです。

関東系と紀州系

しかし、そう言っても紀州犬の姿がとても美しく、
また実力も多分に備えた犬であることに疑いの余地はありません。

そのため、紀州犬の展覧会においては容姿の良さと、
性質の良さを兼ね備えた犬を生み出そうとする努力
が続けられています。

こういった気質を重視して作られた紀州犬は主に関東系と呼ばれ、
現在展覧会で活躍しているのはこの系統の紀州犬達です。

足が長くて白毛の美しい、目の涼やかな紀州犬は
関東系の犬である
とみてまず間違いないでしょう。

一方、紀州犬は現在も実猟で使われていますし、
その強い気質こそが紀州犬の証であるという考え方で繁殖されているのが
紀州系(和歌山系)と呼ばれる紀州犬です。

こちらは容姿の良さよりも紀州犬が本来持っている狩猟本能などを
尊重した交配がされるため、昔ながらの容姿と性質を保っています。

本当に猟犬として使うのであれば、
関東系よりこちらの紀州系の方が勝っているのは明らかですが、
気質的に家庭犬として難しいものがあることもまた事実です。

初めて紀州犬を飼うならメスの方がよい

もしいろいろな犬種を比較検討し、
そのうえで紀州犬を選びたいと考えるなら、
まずはメスの紀州犬を選ぶことをおすすめします。

メスの紀州犬はオスより一回り近く体が小さく、
見栄えとしてはどうしてもオスに比べて華がありません。

しかし、性質的にはオスよりも穏やかな犬が多く、
家庭の犬として愛される要素を多く持っている可能性が高い
のです。

また、紀州犬はスラリとした体からは考えられないほど力も強く、
オス犬をきちんと制御できないと
散歩では引きずられて大変なことになるかもしれません。

メスも力が弱いわけではありませんが、
オスに比べれば扱いやすいことは間違いないでしょう。