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食欲のない子犬は低血糖症になりやすい

この記事の目次

生後60日前後の幼い子犬を飼い始めたら、
気をつけなければいけないことはいろいろとあります。
その一つに低血糖症があるのをご存知でしょうか?

低血糖症とは血中の糖分濃度が低下したことによって
引き起こされる症状
のことで、
主にはぐったりと動かなくなったり痙攣を起こすなどの、
平たく言えば元気がなくなって動けなくなる状態です。

生後3~4ヶ月ぐらいまでの幼い子犬がなりやすいのには訳があり、
肝臓にエネルギーの元となるグリコーゲンを貯めておけるほど、
まだ体が成長していない
からです。

つまり、成犬だったら何日かご飯抜きでも
グリコーゲンで体を維持することができますが、子犬にはその余力がありません。

低血糖はどんな時に起こるか?

子犬が低血糖を起こしてしまう前の段階として、
多くの場合きちんと食べ物が摂取できていないことが挙げられます。

原因はいろいろ考えられますが、比較的多いところとしては
寄生虫やコクシジウムなどの原虫が影響している、
環境の変化によるストレスで腸に炎症を起きている、
なんらかのウィルスに感染している、などがあるでしょうか。

もちろん原因はなんであれ、早期に治療を開始すれば
きちんと回復しますし、低血糖症も防ぐことができます。


しかし怖いのは、「ご飯をあまり食べないなぁ…?」と思いながらも
よく寝ているからそっとしておこうと様子見をすることで、
そうこうするうちに症状が重篤になり、
手遅れになることは残念ながら珍しくありません。

こんな短時間で!?と愕然するほどの早さで
子犬は簡単に低血糖状態に陥ることがある
のです。

子犬の肝臓の大きさを考えれば、それも不思議ではないのかもしれません。

低血糖を防ぐためには

低血糖を起こさないように細心の注意を払わなければいけない時期は、
前述の通りさほど長期間というわけではありません。

生後2ヶ月の子犬を迎えたとしたら、せいぜい1~2ヶ月ぐらいのこと。
それを面倒だと言う人に子犬を飼う資格はありません。

幼い子犬を飼い始めるからには、
それなりの準備をしておくことは飼い主の義務なのです。

低血糖を起こすことがないように、
ドッグフードは出来るだけ小分けにして、回数を多く与えるようにしましょう。

仕事等で時間的に制限があってそれができないのであれば、
ブドウ糖を用意しておくなど、いざという時すぐに対処できるようにしておくべきです。

ブドウ糖は何も病院で処方してもらわなくても、
菓子として販売されているものを用意しておけば充分です。

脳に良いお菓子としてブドウ糖100%の製品が
数百円程度で販売されていますので、コストもたいしてかかりません。

また、大切なのはご飯を食べなくなったら出来るだけ速やかに
動物病院で寄生虫やウィルス感染などがないか検査をしてもらうことです。

原因がわかれば速やかに治療を開始することで食欲を取り戻すことができますし、
体に何の問題がなければ食欲増進のために別のアプローチを考えなければいけません。

いずれにしても、子犬の体の状態を正確に把握しておくことが大切なのです。

子犬の命は飼い主の不注意で
簡単に失われてしまうものであることを忘れないでください。