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酵素不足を補うためには、生肉だけで充分?

この記事の目次

犬のご飯は真剣に健康のことを考えて作れば作るほど、いろいろなことが気になりだすものです。
犬は肉食寄りの雑食動物だから、動物性たんぱく質を摂取するための肉類にはこだわりたい
脂質には不飽和脂肪酸が含まれたものを使いたい
炭水化物の材料には良質のイモ類を選びたい、という具合にです。

しかし、そういった基本的なことをクリアしたとしても、またあらたな疑問が浮かんできたりします。
いまの手作り食で、酵素はちゃんと補えているのだろうか――、と。

酵素といえばまずは生肉

犬の食事で酵素を補いたいと考えるとき、まず思い浮かぶのが「生肉」ではないでしょうか。
酵素は熱に弱く、50度ぐらいの熱を加えただけでも活性が失われてしまいます
つまり、食材に含まれる酵素をしっかり摂取するためには、加熱していない状態がいいわけですね。
そして、犬の食性を考えれば、生肉という選択には無理がありません。

というわけで良質の動物性たんぱく質が補えて、なおかつ酵素も含んでいる「生肉」を食材に加えてみたくなるのですが……。
ここでまた、ふと疑問が。
一口に酵素といっても種類はいろいろとあるのに、生肉だけで必要な酵素を補えるのでしょうか?

それぞれの酵素の役割

そもそも、酵素という単語一つを取り上げただけでは、なんとなく漠然としていますよね。
私たち人間も犬も、もともと体内で作られる酵素の量は決まっています。
そして、その酵素の種類は犬なら犬の、人なら人の食性に合ったものなんですね。

しかし、体内の酵素は量が決まっているにもかかわらず、食事の質や環境による要因などなど、いろいろな理由で不足しがちに。
そこで、食物という外部からの要因で酵素不足を補いたいわけです。
犬の食事にとって欠かせない酵素といえば、まずは次の3つが挙げられるでしょうか。

プロテアーゼ

たんぱく質を分解し、アミノ酸へと分解するための消化酵素。

アミラーゼ

でんぷんなどの炭水化物をスクロース、マルトースなどの糖類へと分解するために必要な消化酵素。

リパーゼ

脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解するために必要な消化酵素。

その他にも、食物繊維を分解するためのセルラーゼ、糖質を分解するためのインバターゼ、乳糖を分解するためのラクターゼなどいろいろありますが、犬の食性から考えると、やはり重視したいのはプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼです。

生肉だけでは補えない酵素はどうすればいい!?

ここで生肉だけで必要な酵素を補えるのか、という疑問に戻ってくるわけですが……。
前述した酵素の種類を見る限り、肉だけを生にしてもアミラーゼを補うことが難しそうなのは一目瞭然ですよね。

となると、アミラーゼを含む食材――大根、キャベツ、バナナ、キウイなども生で摂取したほうがいいのでしょうか。
さらにはリパーゼも足りないかもしれないと考えたら、納豆、甘酒、チーズ、イチゴ、にんじん、トマトなども生で加えるべきでしょうか。

しかし、現実問題として酵素をしっかりと摂取させたいがために、生肉に加えて野菜や果物までたっぷりと生で加えてしまったら、おそらく犬はお腹が緩んでしまいます
お腹が緩んでしまうと腸の働きに悪影響を及ぼし、そうなると消化吸収を良くするために酵素たっぷりの食事にしたはずが、かえって逆効果になるのではないでしょうか。

食事における適正とは、ほどほどと同義

健康のことを考えたら、含まれる栄養も酵素もパーフェクトを目指したくなるのが人情というもの。
しかし、それがかえって逆効果になってしまったらもともこもありません

そういった意味では、食材に生のまま加えるのは肉だけにとどめ、その他の食材は加熱したものを選んだほうが無難なのではないでしょうか。
もしくは、肉は加熱したものを使い、野菜は生のままで加えるというように、生と加熱を両立させたほうが、間違いなくお腹の調子をコントロールしやすいはずです。

どうしても肉も野菜も生にしなければ気がすまないとしたら、その量の加減はかなり難しいものになるのではないでしょうか。
そういった意味では、犬の食事における栄養バランスは、ほどほどで組み合わせるのが実は適正に一番近いのかもしれません。
それでもどうしても完璧に近づけたいというのであれば、酵素問題はむしろサプリメントを利用したほうが、犬の体と飼い主の気持ちの両方にとって無理がないのかもしれませんね。