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シャンプーすると気化熱で子犬は体調を崩しやすい

この記事の目次

生後2ヶ月ぐらいの可愛い子犬がお家にやってきた――!
これから始まるドッグライフを想像すると、嬉しくて仕方がない瞬間ですよね。

ところが、初めて犬を飼うことになった家では、
予想もしなかったことが次々と起こるものです。

その一つが、ウンチやオシッコで
子犬の体が汚れてしまうこと
ではないでしょうか。

子犬といえど、排泄物は立派に臭うもの。

しかも、子犬は遠慮なしに自分のしたウンチやオシッコを
踏んづけて歩きまわったりしますから、
床はおろか体のあちこちにまでベットリとついてしまい、
拭き取ったはずでもウンチのニオイがプーン……なんてことは珍しくありません。

こうなると、子犬がやってきて早々だろうが
シャンプーをしたくなったとしても、不思議はない
わけです。

でも、ちょっと待って!
子犬を洗うという行為は、実は飼い主さんが思っている以上に
危険をまねくことがある
のです。

子犬の体調は見た目通りではない

犬だって定期的に洗ったほうがいいんでしょう?
……という意見が聞こえてきそうですが、
それはあくまでも体調にまったく問題のない成犬であれば、の話です。

子犬はたとえ元気に見えたとしても、新しい環境に馴染んでいるとは言えません。
おまけに体力、免疫力ともにまったくもって足りていないのです。

その状態は元気と体調悪化の境目をフラフラしているのと同じこと。
いつどうなってもおかしくありません。

そんなときに不用意に子犬の体を洗うことは、
飼い主自らの手で体調不良にさせてしまうようなものなのです。


元気いっぱいで食欲も旺盛、ウンチもいい固さで何の心配もなさそうに見えた子犬が、
シャンプーをした翌日から体調を崩すことはよくあること。

これは子犬だけでなく高齢犬にもいえることなのですが、
犬の全身を濡らしてシャンプーをするという行為は、
人間が思っている以上に犬の体に負担をかけてしまうことがある
のです。

シャンプーとはどんな行為なのか?

なぜシャンプーをするのでしょうか?
それは、体(被毛)の汚れを落として、全身を清潔に保つためですよね。

しかし、子犬を洗うことを別の側面から考えると、違ったものが見えてきます。

シャンプーによって与えられる子犬への負担の例
  • 新たな飼い主宅という慣れない環境の中で、お湯をかけられる(全身を濡らされる)行為にも慣れていない。
  • 洗っている間、動かないようじっと静かにしていなければならない。
  • 全身を濡らされたことにより、気化熱が発生して体温を奪われやすい。
  • ドライヤーによる温風が体にあたる感触と、ドライヤーの音も大きなストレスになりやすい。

考えれば考えるほど、子犬にとってシャンプーは
ストレスだらけの行為
なのかもしれません。

体調悪化がまねくもの

シャンプー(全身を濡らすこと)により、
体温を奪われた子犬の体内では何が起きているのでしょうか?

腸管にコクシジウムという原虫が寄生していた場合、
宿主の子犬の体力が落ちたことによって増殖し、悪さを開始します。

すると水様の下痢が始まり、同時に食欲が失われてしまうことになるでしょう。

子犬にとってこの症状は最悪です。
脱水によって体が急激に衰弱するのはもちろんのこと、
食べないことで低血糖症を引き起こし、意識を失ったようにぐったりとしてしまうからです。

そのまま短時間で命を落とすことも珍しくありません。

スースーする=体温が奪われている

子犬の体が汚れてしまうと、きれいにしたくなる気持ちは理解できます。
しかし、それによって可愛い子犬の命を危険にさらしたいわけではないですよね。

どうしても汚れが気になる場合は、
その部分だけをお湯で固くしぼったタオルできれいに拭きとり、
さらにはそのまま自然乾燥させるのではなく、
湿った毛からしっかりと水分を取り除くことが大切
です。

手の甲をペロリとなめて、そこに息をふきかけてみてください。
スースーしますよね?

シャンプーすることで、それと同じことが子犬の全身にも起こっているのです。