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寝たきりになった犬のシャンプー

この記事の目次

寝たきりになった犬は、体のいろいろな部分が汚れやすくなります
ご飯が口からこぼれたときや下痢や嘔吐をしたときに限らず、普通に排泄したときでさえ、動けたときより体が汚れやすくなるのは間違いありません。
こまめに拭きとってはいても、やはりシャンプーをしてあげたくなるものです。

ところで、寝たきりになった犬を洗ってもよいのでしょうか?

老犬のストレスにならない洗い方ができればシャンプーはOK

寝たきりになった犬をシャンプーしてもいいのか、それともダメなのか。
これはひとえに、シャンプーをすることがその子にとってストレスになるかならないかで許容度が変わってきます。

たとえば、寝たきりになる前はお風呂が大好きな子だったら、シャンプーで気持ちよさそうにしてくれるのではないでしょうか。
逆に以前からお風呂が大嫌いで、毎回暴れ回っていたような子の場合は、シャンプーすること自体が大きなストレスになる場合もあります。

いずれにしても一番に考えるべきは、洗うことがストレスになるかならないかという点。
お風呂好きの子だったら、たとえ寝たきりになっても可能な限りにシャンプーしてあげたいものですよね。

老犬のシャンプーにおいて絶対に気をつけなければいけないこと

いくらお風呂が大好きな子でも、心臓に疾患がある場合や、呼吸器にトラブルがある子の場合は注意が必要です。
というのも、お湯の温度によっては心拍数が上がってしまったり、呼吸が苦しくなって体に負担をかけてしまう可能性があるからです。

また、お風呂でシャンプーされるのは大好きだったけれど、ドライヤーで乾かすのは苦手だった、という子の場合も無理は禁物。
嫌いなことをされるのは少なからずストレスがかかることですし、ドライヤーの熱によってお湯の温度と同様に心臓や呼吸に負担をかけてしまうかもしれないからです。

寝たきりの大型犬をシャンプーしたい場合は

寝たきりになったとしても、小型犬や小さめの中型犬程度であれば、飼い主さんが抱いてお風呂に入れることもできますよね。

しかし、大型犬ともなるとなかなかそうもいきません。
浴室に連れていくだけでも一苦労ですので、お風呂で寝たきりの大型犬をシャンプーする場合は、できれば二人以上の人数で対応したほうが安全です。

万が一、一人で大型犬を抱え上げようとして、腰をグキっとやってしまったらシャレになりません。
寝たきりになった犬を洗うことは、少なからず飼い主の体にも負担がかかることなので、無理は絶対に禁物なのです。

浴室で洗えない場合の対処法

全身を丸洗いすることがストレスになりそうな場合は、部分的に洗うことをおすすめします。
汚れてしまったお尻や足だけを洗うだけでも、衛生的にもかなり改善されるはずです。
また、部分洗いであれば浴室まで連れていかなくても、部屋の中でも充分対応することができるのではないでしょうか。
洗面器にぬるま湯をくみ、タオルをしぼって犬の体を拭いてやるだけでも、ずいぶんときれいになるものです。

もちろん全身丸洗いをしたときと同じというわけにはいきませんが、濡れタオルで丁寧に拭きあげるだけもずいぶんと変わるもの。
濡らしたタオルで汚れを落としたあとは、出切ればドライヤーなどでしっかりと乾かすことが理想的ですが、難しい場合は乾いたタオルで丁寧に水気を拭いてあげましょう

ドライシャンプーの利用

どうしてもシャンプーができない犬の場合は、ドライシャンプーを利用すると汚れとともに気になっていたニオイが軽減できるかもしれません。

ムース状のドライシャンプーは被毛へのなじみも良く、非情に使い勝手のよいものですが、成分には充分に注意してください。
石油系の成分が含まれているものは避け、植物性の原料のみで作られている、万が一犬が舐めてしまっても害のないドライシャンプーがおすすめです。

安全な成分のみで作られたドライシャンプーはそれなりにお値段がはりますが、質のよくない安物は犬の皮膚に刺激を与えやすいため、皮膚病の原因になるかもしれません。
ただでさえ自由に動くことができない犬を皮膚病にしてしまうと、痒みや痛みという大きなストレスを与えることになるため、ドライシャンプーの成分には絶対にこだわるべきなんです。

介護をする時間はふれあいの時間

寝たきりになった犬もシャンプーをすることができるとはいえ、普段から汚れがつきにくくしておくことも大切です。
お尻まわりの被毛を短く刈り込んでおけば汚れはつきにくいですし、ついたとしてもきれいにしやすいですよね。

寝たきりになった犬は何かと手がかかって大変!などと考えず、お尻拭きもシャンプーも、すべては愛犬との触れ合いの時間ととらえることができたなら、それが一番幸せではないでしょうか。