ジャパンケネルクラブ(JKC)の血統書・その1
血統書――ジャパンケネルクラブの場合は正式には「血統証明書」といいます。
血統書があると良い犬で、ないとイマイチの犬だというわけではありません。
どうも、そう思いたがる人は多いようですが…。
ジャパンケネルクラブ(JKC)の血統書があるということは、
少なくとも両親はその前の世代も含めて、
何代にもわたってその犬種である、ということの証明書です。
これを「純血種」の証拠だと鼻高々になる人もいますが、
そもそも純血種と呼ばれる犬達も
みんないろいろな種類をかけあわせて人間が作りだしたものです。
ということは、「ある性質や姿形で定まった特定の犬が
何代かにわたって交配されている証明書」というのが一番正確なのかもしれません。
血統証明書は繁殖者とJKCの信頼関係に基づいている…?
ジャパンケネルクラブの血統証明書の説明のくだりに、こんな一文があります。
『血統証明書の登録申請は、
クラブ会員である繁殖者とJKCとの信頼関係に基づいて行われます。』
どうしてわざわざこんなことが記載されているのでしょうか?
それは、繁殖者が申請した内容に基づいて、
JKCは血統証明書を発行しているに過ぎません、
と遠まわしに言っているわけです。
つまり、そこに虚偽の申請があるとしたら、
それは繁殖者側の裏切り行為なのだと言いたいのではないでしょうか。
どうしてこんなことをわざわざ記載する必要があるのかといえば、
それは繁殖者側の申請次第でどんな血統証明書でも発行できてしまうからです。
例えば、ある犬種の母犬が5匹の子犬を産んだとします。
でも6匹分の申請をすれば、残りの1匹は同じ犬種でさえあれば、
その血統書の子犬だと偽ることは実に簡単なことなのです。
どんなことでも偽ることができる
血統証明書は、本来どのような立派な血筋であるか
ということを証明するためのものではなく、
交配予定として近親過ぎる血筋ではないか?
掛け合わせてはいけない遺伝子同士ではないか?
ということを調べるためのものです。
ところが、一般的に血統書を見た場合「どれだけ良血統の犬なのか?」
ということに目がいきやすく、そこに虚偽が発生するわけです。
例えば、あるチャンピオン犬の母犬がいたとします。
そして、掛け合わせた父犬もまたチャンピオン。
すると生まれた子犬はチャンピオン同士の子犬ということで、
血統書としては大いにハクがつくわけですね。
ところが、交配したけれど受胎せずに空振りに終わったとします。
しかし、似たような時期に別のノンタイトルの母犬と
チャンピオンの父犬も交配していて、
そちらは無事に子犬が生まれたとします。
この子犬達は父、犬はチャンピオンですが母犬はノンタイトル…。
だったら、同じ犬種で同じ毛色だし、
チャンピオンの母犬が産んだことにして血統書を申請してしまえば、
見事に両親ともにチャンピオンの子犬が誕生することになります。
あくまでも、血統書上においての話ですが……。
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