愛犬が寝たきりになったときのことを想像してみる

日本は、高齢化が叫ばれるようになって久しいですよね。
でもそれは、人間のことだけではありません。
犬の世界にも高齢化の波が押し寄せています

犬が長生きしてくれるのは、とても嬉しいこと。
しかし、同時に痴呆や寝たきりになる犬の数が増加している現実もあるんです。
いま現在の愛犬が元気いっぱいであればあるほど、なかなかそういう姿は想像しにくいかもしれません。

しかし、確実にいえること――。
それは、いまがどんなに元気な犬も、いつかは必ず老いるということです。

愛犬を介護する日がくるかもしれない

老いるということは、体のあらゆる部分が衰えること。
それは言い換えれば、若犬の頃は当たり前のように出来ていたことが、できなくなってしまうことですよね。

「そんなの、言われなくてもわかるよ!」と思うかもしれません。
しかし、身近に介護が必要な老犬がいないと、具体的なことまではなかなかピンとこないのもまた事実です。

愛犬がどれだけ高齢になろうと、最後の最後まで自力で元気に動き回り、ある日突然逝ってしまう……。
すべての犬がそういうフィナーレを迎えられたら、どんなにいいでしょうか。
しかし、現実としては寝たきりになる可能性も大いにあるのです。

そこで、もしも愛犬が寝たきりになってしまったら、どんな手助けが必要になるのかを、少し考えてみたいと思います。
なんでわざわざそんなことを?と思うかもしれません。
しかし、知っておくことで「そうならないために今のうちにできること」に気がつけるかもしれないのです。

横向きで寝たままの飲食はNG

人間と違って犬が寝たきりになった場合、ほとんどは体側を下にして横たわることになります。
自力で起き上がることができない犬がご飯を食べたり水を飲んだりするとき、横たわったままの口元にスプーンなどでご飯やお水を差し入れるイメージをしていませんか?
実はこれ、とても危険です
横たわったままの姿勢で食べさせたり水を飲ませたりすると、気管や肺に入りやすいからですね。

それも、ただ単にむせてしまうからNGと言っているわけではありません。
気管の炎症や誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)などの原因になるからです。
そのため、寝たきりの犬でも食べたり飲んだりするときは、必ず「伏せ」の体勢に。
その姿勢で頭を持ち上げるようにして支えてあげると、飲み込みやすくなるのです。
また、お水はむせやすいため、お皿に二口か三口分ぐらいの水を入れ、飲み終わったら少しずつ注ぎ足すようにしてあげたほうが安全です。

寝返りは必須

寝たきりになった犬は、自力で寝返りを打つことがほぼできません。
そのため、寝返りを打たずに長時間横たわっていると、体に床ずれができてしまうことに

床ずれとは、体の血行不良から皮膚や筋肉が壊死してしまい、その部分の皮膚が破れてジクジクとした内部がむき出しになる状態のことです。
悪化すれば骨までが露出してしまうこともあるぐらい、見過ごしてはいけない状態。
当然のことながら、犬は激痛に苦しむことになります。

しかも、一度床ずれができてしまうとなかなか完治しないことも多く、愛犬をいつまでも苦しめ続けることに。
床ずれを作らないためには、1日に何度も寝返りを打たせてあげなければいけないのです。
また、寝床の素材は柔らかく体を受け止めてくれるようなものがベスト。
低反発マットなどを敷いて、少しでも体にかかるストレスを軽減させることも床ずれ防止には必要です。

排泄の介護

愛犬が寝たきりになると、排泄の介護も必要になります。
かろうじて自力で立ち上がれるうちは、足腰の補助をすることで、自力で排泄ができるように手伝ってあげたいもの。
しかし、起き上がることができなくなったら、いよいよオムツが欠かせなくなります。

オムツはこまめに替えてあげないと、皮膚などに炎症が起きてしまうかもしれません。
体に不着した汚れをきれいに拭き取ってから、新しいオムツをはかせてあげることが大切です。

早めの準備が快適な老犬ライフにつながる

愛犬が寝たきりになったら、毎日がつらそう……。
などと後ろ向きに考えても意味はありません。

それより、愛犬が最後まで自力で動けるように、早いうちから気にかけておくことが大切なのではないでしょうか。
足腰が弱りだしたところで階段から落下すれば、それがきっかけで寝たきりになるかもしれません。
それを防ぐために、階段にはいまのうちに滑り止めをつけておく――。
こういった早めの工夫が、将来的な寝たきりを防いでいくのです。

フローリングの床を滑りにくくしたり、肥満を防止したりと、大切な愛犬を元気な老犬のままでいさせてあげられるのは、ひとえに飼い主さんの気遣いにかかっているんですよ!