たくさん犬に話しかけることで、犬の感情を読み取る能力は向上する
犬と一緒の空間で暮らしていると、特に意識はしなくてもいろいろと犬に話しかけていませんか?
たとえばドアのほうを見ている犬には「どうしたの?お散歩に行きたいの?」
寝床を整えようとして敷物を放り出してしまった犬には「やりすぎ、やりすぎ、そこまでやるとお布団が全部なくなっちゃうよ?」といったように。
人間を相手にしているときと同じように犬に話しかけること。
これは飼い主だけではなく、犬にとっても良い効果が期待できる行動です。
ニュアンスを読み取る能力が向上する
犬は人間のように言葉で他者とコミュニケーションをとる動物ではありません。
それなのに、犬に話しかけているとなんだか内容を理解できているように感じてしまうことってありますよね。
これは、話している内容を言葉として理解しているわけではなく、話し手の感情を読み取っているからです。
もちろん、よく会話に出てくる単語――。
たとえば「お散歩」だとか「おやつ」「おもちゃ」「遊ぶ」といった言葉を憶えてしまうことはあります。
しかしそのときでさえ、犬は飼い主の感情を同時に読み取っているのではないでしょうか。
考えてみれば、「お散歩に行こうか?」と犬に話しかけるとき、こう言ったら犬が喜ぶに違いない、という気持ちで言葉を発していませんか?
犬はその感情も込みで「お散歩」という単語が大好きになるのでしょう。
この感情を読み取る能力は、やはり数を重ねて磨かれていくもの。
どんなに賢いと評判の犬種であっても、ほとんど人から話しかけられずに生活をしていると、人間の言葉に反応する回数は増えないのです。
人間の言葉に正しく反応できるかできないかは、犬種による訓練性能の違いではなく、幼い頃からいかにたくさん話しかけられてきたかで決まってしまうのではないでしょうか。
たくさん話しかけられる犬はストレス性の病気になりにくい
犬の祖先は群れを作って生きるオオカミ。
そして現代を生きる犬たちもまた、基本的には群れを作りたがる生き物です。
しかし、家庭で飼われる犬は多頭飼育でもない限り、群れの仲間は人間しかいません。
だからこそ、人間は犬にたくさん話しかけるべきなんです。
犬にとって飼い主に話しかけられるということは、飼い主の意識が自分に向いていることをしっかりと確認できる機会でもあります。
大好きな飼い主が自分に意識を向けているという認識は、犬に孤独を感じさせません。
犬にとって孤独や寂しさはストレスそのもの。
そのストレスを感じる機会が少なければ少ないほど、精神的に安定していくのです。
精神的なストレスが少ないということは、すなわちストレスが原因となって引き起こされる病気にかかりにくいということ。
さらには、たくさん犬に話しかける飼い主は、犬に意識を向ける機会が多くなることから、犬のちょっとした異変にも気づきやすくなります。
犬に話しかけるときのポイント
せっかく犬に話しかけるなら、最大限に効果があがるような話しかけ方を心がけましょう。
また、話しかけるタイミングなどにも気を配ることで、より効果が期待できます。
- ゆったりさせたいときは、穏やかで、かつ優しい口調を心がける。
- 何か一緒に喜んでほしいことがあるときは、明るく楽しげに話しかける。
- 眠たそうにしているときには無理に話しかけない。
- 長々と説教をするようなことは絶対にしない。
これらは人間相手に会話をするときも同じですよね。
要するに、自分がリラックスしたり楽しみたいときに、相手からこんなふうに話しかけられた嬉しいしハッピーな気持ちになれるよね、というポイントと同じです。
反対に、なにか失敗をしてしまったときに、いつまでもクドクドと説教をされたらうんざりしませんか?
そして眠たいのにしつこく話しかけられると、かなり鬱陶しくなりますよね。
犬もまったく同じです。
飼い主が幸福だと犬も幸福
犬は本当に驚くほど飼い主の感情を汲み取る動物。
年がら年中イライラしている人が飼っている犬は、いつも不安を抱えているのです。
飼い主自身がいつでも穏やかに過ごすことで、愛犬が元気に長生きをしてくれたら、これこそ最高のドッグライフといえるのではないでしょうか。
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