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多様化していくドッグフード

この記事の目次

現代は飽食の時代といわれていますが、これは人間に限ったことではありません。
人間社会の中で生きる犬達にも、同じように飽食の波が押し寄せています。
だからこそ、どんなドッグフードを選ぶかは、飼い主としての重要な使命なのではないでしょうか。

年代別のドッグフード

1才未満の子犬、1~6才ぐらいまでの成犬、7才以上のシニア犬というように、年代別に設定されているドッグフードには、その年代に最適な栄養バランスで設計がされています。
また、子犬用には消化のしやすさや免疫力を高めるための配慮、老犬用には衰えてきた関節に効く成分が配合されている、というように、各年代において必要とされる部分をわかりやすく打ち出している製品も少なくありません。

とはいえ、一番の違いはやはりタンパク質や脂質のパーセンテージと、総カロリー量の違いではないでしょうか。
単純に言ってしまえば、肉類や脂質の配合量を減らすことで総カロリー量を低く抑えているわけですね。

しかし、犬にとって必要な五大栄養素の1位がタンパク質で2位が脂質。
それは年齢を重ねたからといって、変わるものではありません。
そのため、肉類の配合を減らして穀物を増やしていくドッグフードは、犬の食性に合っているのか?という疑問の声が聞かれるようになりました。

全年齢タイプのドッグフード

そんな年齢別タイプのドッグフードとは違い、子犬から老犬まですべての年代に対応している、というコンセプトを打ち出しているのが、全年齢型のドッグフードです。
これは、「本来犬は年齢別に食べるものを変えたりはしない」という視点から作られています。
そして、雑食とはいえ基本的には肉食獣に近い犬の食性にあわせて、動物性タンパク質の配合量が多いことが特徴としてあげられるでしょうか。

さらには同じ全年齢型でも、炭水化物の原材料として穀物を使うか使わないかによって、タイプが分かれていきます。
「犬は本来穀物を食べない」という観点から作られているのが、グレインフリー(穀物不使用)のドッグフードですね。
この場合、炭水化物としての原材料にはイモ類が選択されているものが多いようです。

穀物にアレルギーのある犬にとってグレインフリーは救世主のようなドッグフードですが、現代の犬はかなり雑食性が強くなっています。
そのため、必ずしもすべての犬に合うとは限りません。
現に、グレインフリーを食べるとかえってお腹の調子が崩れやすい、ということもあるのです。
穀物についての扱いは、良い悪いを一律に考えるのではなく、自分の愛犬の体調を見ながら決めるのが一番ではないでしょうか。

低GIのドッグフード

比較的最近出回り始めたドッグフードとしては、低GIという視点で作られたものがあります。
食後一気に血糖値が上がらないような食材で作られたドッグフード、というわけですね。
人間の食事においては、血糖値がどうの、インシュリンがどうのという話しはよく聞かれることですが、いまや犬の食事にまで配慮が必要な時代になったのかもしれません。

とはいえ、使われている食材自体が特殊なわけではないようです。
要は野菜や果物、穀物の中でビタミンやミネラルが豊富であり、なおかつ血糖値の上昇が緩やかな低GI食品のみを原材料として選択しているわけです。
こういった食材で作られたドッグフードは、肥満犬や糖尿病になりかけの犬に限らず、健康維持という観点から見ても有効なのではないでしょうか。

現在の段階では、まだ低GIのドッグフードにはそれほど銘柄があるわけではありません。
しかし、将来的にはこのタイプが増えていく可能性は、大いにあるのではないでしょうか。

大切なのは愛犬の体質に合っていること

原材料に含まれる肉類の割合、穀物の使用・不使用など、ドッグフードによってそのコンセプトは違っています。
しかし一番大切なのは、メーカーが打ち出しているコンセプトの優劣ではありません。
自分の愛犬の体質に合っているかどうかです。

いくら原材料にこだわった最高級のドッグフードでも、愛犬の体に合っていなければ意味がありません。
愛犬の体調や体質をしっかりと観察し続け、そのうえで最適なドッグフードを選ぶことが大切です。
なぜなら、愛犬の体は飼い主さんが選んだ食べ物によって作られていくからです。