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土佐犬は安易に選んではいけない犬種

この記事の目次

土佐犬を日本犬の一種だと思っている人が多いようですが、
正確には「日本犬である」とは言い難い犬種です。

土佐犬は闘犬を目的としてマスチフ、ドーベルマン、ブルドッグなどの犬種に
四国犬などを混ぜて作出されている
といわれ、
その血液からも純粋な日本犬であると判断することはできません。

ジャパンケネルクラブ(JKC)や日本犬保存会なども
土佐犬を一犬種としては公認していませんし、
秋田犬保存会、甲斐犬愛護会などのような
単犬種による血統書発行団体も存在していないのです。

土佐犬の事件が報道されてもなぜ飼いたがるのか?

土佐犬による死傷事件がこれまでにも何件か発生しているというのに、
それでもまだ土佐犬をペットとして飼いたいという人がいます。

高知県にある闘犬センターで子犬を見たら可愛かったから……。
強くてたくましい犬を飼ってみたいから……。
そんな安易な理由で飼ってよい犬種ではないのです。

「土佐犬は飼い主に忠実であり、
きちんと運動させていれば家庭の犬としても適した犬種です」
こういう無責任な記載を見るたびに憤りを感じずにはいられません。

もちろん、土佐犬にそういう家庭犬にふさわしい素養がないとは言いません。
しかし、闘犬である以上、同時に何かのきっかけで激しく興奮し、
相手に襲いかかる性質を研ぎ澄まされてきた犬種である
ことは無視してはいけないのです。

人間とは勝手なもので、土佐犬をそのような性質の犬として作り上げてきたくせに、
いざ死傷事件が起これば殺処分にされてしまうのは土佐犬です。

これ以上、土佐犬を人間の身勝手で振り回してはいけません。

闘犬についての是非は、ここで述べることは避けたいと思います。
しかし、家庭の犬として土佐犬を考えている人がいるならば、
声を大にして伝えるべきは、「土佐犬は家庭犬にはふさわしくない」ということです。

もしも、家庭の犬として土佐犬を考えるのなら、
闘犬としての性質が抜けるまで何代も交配を重ね、
穏やかで興奮してもすぐに冷める気質が固定されてからの話
ではないでしょうか。

そのためには、闘犬という家庭犬とは真逆の性質を煮詰めていく交配との共存は
不可能ですから、「自分なら土佐犬を上手に管理できるはず」などという
思い上がった感覚で土佐犬を選ぶことはやめましょう。